ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

#渋谷にかける虹

本日は「渋谷区LGBTコミュニティスペース『#渋谷にかける虹』」主催の「トランスジェンダー女性のためのメーキャップステップアップ!ワークショップ」に参加してきました。

渋谷区のダイバーシティ推進事業(運営は「NPO法人 東京レインボープライド」が受託)が資生堂の後援を受けて開催されたこの企画。メイク情報はネットの海に数多転がっていますが、そのほとんどは生まれながらの女性の為のもの。トランス向けのメイクが学べるとあって、意を決して飛び込んでみた次第。

 

参加者は25名ほどで(4〜5人1組×6卓)、意外にも私より年上と思しき方が多数おられました。ゲストはトランス向けレッスンスクール「乙女塾」の西原さつき代表、同じく乙女塾のメイク担当・NAO講師、ラジオパーソナリティや講演スピーカーとして啓発活動に携わる瞬さんの3名。

実は私、移行決意するより前に2回ほど乙女塾に顔を出したことがありまして。もう2年近く前のことだったと思うのですが。1回は西原代表とNAO講師によるメイク講座、もう1回はボイストレーニングの体験レッスンでした。ボイトレは音楽活動とのスケジューリングの兼ね合いで継続できませんでしたが(悔しい!)、その時以来のご対面。

 

さて、肝心のワークショップの方は、以前参加したメイク講座の集団講義版かつボリュームアップ版という感じでした。スキンケアのコツを改めて言われ、日頃の自分のケチっぽさに反省…。化粧水とコットンは贅沢に。ベースメイクで初めてクリームタイプのリキッドファンデーションを使いましたが、結構良さげな馴染み方をしてくれました。ホルモン治療の有無(受けている場合は年数も)により素材や量を変えるというのは、ネットでメイク情報を漁るだけでは決して得られない貴重な情報。私はまだジェル剤なので、今のところはリキッドが合うのかな。あと、瞬さんに「すごいきめ細かい肌ですね〜」って言われたの嬉しい♡

 

ベースメイクの後はポイントメイク。正直、これがめっちゃ収穫でした。手先の不器用さから敬遠していたパウダータイプのアイシャドウやビューラー、付け方がわからず手を出せなかったパウダーチーク、楽器を吹くのですぐ取れてしまうから付けないことにしていた口紅、職場との兼ね合いで眉毛を完全に剃れないので踏み出せなかったアイブロウ…これらの使い方を各卓のサポートに入っておられた資生堂の中の人に懇切丁寧に教えて頂きました。

特にビューラー!「睫毛を挟む時は上側を睫毛に乗っける」、この通りにやってみると怖さも半減。マキアージュの黒光りするやつは彫りの浅い/深いを問わず使える設計がなされており、薄くない顔立ちの私にも使い易かったです(早速帰りに購入しました)。

最後ピンクのチークと涙袋にラメ入りのハイライトを入れて髪をおろすと、まぁ見られるお顔になっているじゃありませんか☆ここで教わったことを忘れず、必要なものを買い揃えてメイクを練習してパス度を上げていきたいですね。私の場合は休日しかメイクができませんが、ビューラーくらいなら平日にやってもバレなさそう。

 

…実は私、直前まで参加することを躊躇っていました。「トランス女性向け」を謳ったイベントに私みたいに中途半端な移行状態(休日だけだし脱毛途中だし髪も短い)の人が参加していいものか…と。しかし、このイベントについて瞬さんが下記ツイートされているのを拝見し、参加する決心がつきました。

 

「”トランスジェンダー女性”と言っても、性移行前、性移行中、性移行後と、人によって様々な段階があって(中略)どんな状況の方にとっても、意義があって、楽しめるイベントになるよう…」

 

イベント終了後にゲスト陣との記念撮影の時間が設けられた際に上記のことを瞬さんに直接お伝えしたら、twitterでこの件についてやり取りしたことを覚えていて下さって、「あぁ、今日は参加して本当に良かったなぁ!」と心から思えました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

また、この世のものとは思えない美しさの西原代表にも、撮影時に「かわいい♡」と言って頂けてとてもとても嬉しかったです。スケジュールが合えば、乙女塾にもまた必ず伺います。今は新宿じゃなくて下北沢でしたよね。

 

資生堂の試供品も記念品として貰えて、大満足の1日でした。渋谷区のこのスペースはイベントや資料がたくさんあったので、また何かの折に伺いたいと思います。

それにしても、夏から色々なイベントに参加するようになってから「伝える立場」の方々の活動を目の当たりにすると、うまく言えませんが皆さん素晴らしいなと感じます。職場で周りの目を気にして隠れて生きているだけの私より何倍も強い。伝えられるだけの体験や技術を持っていることも、挫折して専門職を辞した私には羨ましい。

受け身だと言われようとも、こうした場に出向くことが私の活力になっている側面は間違いなくあると思います。周りに分け与えられる活力が無いのなら、せめて自分自身の世界を少しでも生き易いものにしていきたい。そんなことを考えます。

 

さぁ、次の土曜日はジェンクリだし、今週は手付かずの自分史を仕上げないと…ですね。