ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

乙女塾 交流会 How to Work as Woman

本日は乙女塾主催の交流会に参加してきました。毎月テーマを設けて定例で行われている会の内の一回。テーマが「就職・転職・在職トランス」ということで、*1私としては逃す訳にはいかないテーマだったので、諸々調整した結果参加できる運びとなりました。

参加者は30名程。年齢層は昨日とうって変わって高めに見えました。殆ど私より年上だったのでは…?参加者の中で既に女性として働いている方は2割、現在転職を検討している方は5割といった具合でした。

 

前半は、男性として生まれ今は女性として働く2名の登壇者さんと西原さつき代表によるトークセッション。

1人目の田中友彩さんは現職で女性として転職されたプログラマ。ご家庭の事情で超スピードのトランスを成し遂げた方。転職の際はブランクを作れなかったそうで、面接時はメンズスーツ、入職当初は短髪にウィッグで出社されていたとのこと。LGBTフレンドリーを謳っているエージェントではなくてもカミングアウトをした所、向こうはそれに応じてくれたとも。私にとってこれは完全に盲点でした。フレンドリーと謳っていなければカミングアウトも難しいと思っていたので。田中さんの場合はスキルが重視されるプログラマということもあって案件もすぐ幾つか出てきたようですが、そんな対応もしてくれるのですね…。

2人目はイギリス人で翻訳者を経て現職で総務をされているLaura Wakefieldさん。あのJobRainbowで求人を探し、面接時にカミングアウト。しかし女性として働き始めたのは入職してから数ヶ月後だったそうです。日々少しずつ見た目を変え『もう黙っている方がおかしい』状態になってご自身も耐え切れなくなり在職しながらのトランスをされたとのこと。職場はLauraさん以外にも複数のトランスジェンダー当事者が働くLGBTフレンドリー企業で、そうだからトランスできたが『理解の無い会社では相当にハードルが高い』とも。これは私も日々実感していますね…。SNSにしてもネット媒体で見るニュースにしても、自分が関心があるから各種先進的な取り組みが目に入りますが、実際は弊社のようにダイバーシティという話題すら挙がらなかったり前職のように上が職員の見た目にかなり口を出してきたりする所もまだまだ多いのかなと。私からは弊社は相当に遅れているように見えますが、そう思っていない大勢にとっては「時代に遅れている・いない」という観点すら無いのかも知れません。

 

これでトークセッションが終了と思いきや、なんと今回の交流会は協賛として(株)JobRainbowが入っているとのこと。星賢人CEOも登壇され、サイトの紹介や3/30の説明会をしてくださいました。前半終了後には直接お話しする時間が持てまして、月末はITや大手に限らず様々な業種・職種の企業が集まることや求人サイトの方も着々と情報が増えていることを教えて頂きました。私は職歴の都合上いわゆる「合説」に参加したことが一度も無いのですが、直接お話しできたことで参加に向けたハードルが少し下がったように思います。

 

後半は軽食と共に参加者ならびに登壇者との交流の時間。*2会員制で既知の方同士が多かったようで緊張しましたが、同じような悩みを抱えておられる方やtwitterで繋がっている方ともお話しできました。登壇者の田中さんからは『移行途中の周囲の反応を考えるとフレンドリー企業に絞った方がいい』とのアドバイス。今の外見でエージェントに女性として働きたいとカミングアウトするのは全然非現実的ではない旨のお言葉も頂けて嬉しかったです。

 

まぁ、フレンドリー企業の中の人がいる状況だったので、「職歴が一貫していない」とか「スキルが無い」とか、そういう自ら不利になりにいくようなことは訊けなかったのですが、こればかりは仕方ないですかね…自分の責任。そういう意味では現職は私を"拾ってくれた"所ですし、幸いにも仕事そのもののミスマッチは無くやれているので、できることなら留まりたい思いはあるんですよね。

しかし風土の古さというのは私が私らしく働いていくに当たっては大きな障壁で、「カミングアウトの段階でほぼ無理だろう」という感触を働く中で得てしまっています。弊社だと恐らく『女性として働けたら女性の仕事を割り振ってもらえる』のでしょうが、その男女分けそのものに抵抗感・嫌悪感がある辺りXの端くれですわやっぱり。それで納得できる方は納得できるのでしょうが、私は無理。私自身が*3ダイバーシティロールモデルとなって職場を改革するには権限が無いしそんなことをやれる部署も委員会も無いし、*4"敵"が大き過ぎるなぁと思う昨今。

 

なので今後は、現職で留まれる道を模索しつつも、JobRainbow等でゆっくりとマッチする案件を探しつつ過ごしていくことになる見込み。何故「ゆっくりと」かと言うと、*5私の経歴や譲れない条件を考えるとそう簡単に案件が出ては来ないから。また、カミングアウトに当たっての証明たり得る診断書がまだ出ていないから。そもそも私みたいな半端者に対して出るかどうかもわかりませんがね…あった方が説明し易いのは明らかですから。

弊社では3年目になると*6必ず懇親会に所属させられて暑気払いやら社員旅行やらの運営をさせられることになっているので、最悪でもそれまでには決着を付けたいところ。焦らずいきたいけれど適度に急ぎたいですね。

 

乙女塾、入会して定期的な参加や受講となると今はスケジュール上厳しいものがありますが、予定とテーマが合えば今後もビジター参加はしていきたいと思っています。スタッフの皆様、参加者の皆様、本日はありがとうございました。またどこかでご縁がありましたら…。

*1:詳しくは過去記事参照

*2:ビジター参加なのでそこは仕方ないとの割り切りが大事。でも、さつき代表は私の顔を覚えてくださっていて嬉しかったですね。渋谷のアイリス講座以来でした。実は二丁目時代の乙女塾にも行ったことがありますが、見た目が今とは全然違うのでノーカンで。

*3:性的マイノリティが健康診断を受けにくいと感じていてトランスは受診率も低いという現実を知っている人が弊社にどれだけ居るのやら…。

*4:この際だから言ってしまいますが敵ですよねもう。少なくとも味方ではない。

*5:これは現職の際の転職活動で実証済。

*6:この決まりもどうかと思いますけどね。規則で明文化している訳でもなく通例としてそうなっているだけだし。