ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

盗み聞き

と言うと聞こえが悪いですが、まぁ会話が耳に入ってきてしまうというか。よくしちゃうんですよね、職場で。

私の部署がある部屋は狭いので、余程のヒソヒソ話でなければどこにいても会話は筒抜け。ただでさえ自分自身が爆弾を抱えているので、少しでも不利にならぬよう立ち回る為の情報収集は怠りません。

 

さて今日の昼休み。食事中でもいつも会話が飛び交う隣の島の保健師さんチームから、何やら気になる話題が。どうやら、*1春前に入職した保健師さんの学友に『卒業してから男になった』人がいるらしく。

 

なんと、弊社でその手の話題が出るとは。そして身近に当事者を持つ方が弊社におられたとは。お姉さん(仮)びっくりだ。

 

その事実も気になりますが、より気になるのはそれを聴いた側の反応。…幸いにも、否定的な反応は聞こえませんでした。私と同時期に入職された嘱託の方(チーム内では最年長)が『私は別に構わないと思う』と仰り、他の方々も概ね似たような反応。

私は聴いていて嬉しかったですね。その”別にいい”的な反応は当事者からするととてもありがたい。過度な否定/肯定どちらにも寄らず、良い意味で気にしない。欲しいのは特別扱いでも特権でもないんです。

こうした反応が出てきたのは、取引先企業に出向き保健指導に携わる中で健康に関して常に最新の知見を求められる保健師さんであるが故でしょうか。多分弊社内でも*2時代の流れに敏感な方々。会話には例のカム候補の方も入っていたので、その時の反応から言わば言質を取れたことは今後に向けて大きな収穫でした。

 

しかしここで一つ懸念が。

…この話題、どこから出てきた?

不覚にも、話の流れを聴き逃してしまった私。LGBTQの話題なんて、何かきっかけが無ければストレート(と思しき)の人はなかなかしないでしょう。

 

台湾の同性婚?いや、Tの話しかしていない。

取引先に居た?なら*3管理職も同席して然るべきだ。

 

と、思いつく可能性を潰していって考えられる結論は、

…ああ、多分私だ。

昼休みが始まってすぐに私が給湯室にお湯を汲みに行く途中、件の保健師さんと角で鉢合わせてぶつかりそうになって。私も席に戻って食事している最中には、その方が息子さんの髪をバリカンで刈ったけれどもすぐ伸びるから云々と話していて。その2点が繋がり、髪を伸ばしている男性たる私の見た目が”逆”とは言えFtMの学友と重なって見えて、先に挙げた話題になったと考えると辻褄は合う。

考え過ぎかも知れませんが、やっぱり勘付かれていると思っていた方が良さそうです。その方がいざという時の話が早い部署であったことは幸いですが、誤魔化しきれていなかった(可能性が高い)というのは複雑だなぁ。自分を抑え封じるのは得意なのに。そしてカムするに当たって更なる懸念も出てきました。別にいい、気にしないという反応はFtM当事者の話題に対するもの。では”逆"の場合はどうなのか。見た目の逸脱は当然目立ち、余程の素質が無い限りは社会的に望ましい/受け入れられ易い見た目になるのはFtよりも遥かに困難。当の私が受け入れられると手放しで喜べる訳など無い訳です。しかも、ここでの反応と同じものを私の部署を含む別部署ひいては弊社全体で得られる保証もどこにも無い(そりゃそうじゃ)。

 

…総括すると、味方候補が少し増えたのは良かったけれども茨の道であることには変わらないよ、ということで。ぬか喜びだったとまでは言わないにしても、楽観視は禁物。油断せずに行こう。

*1:長身でめっちゃ綺麗でサバサバ系 服のセンスが割と似ている(57577)

*2:主に健康や人権といったトピックにおいて。

*3:この時はトップが離席中でした。