ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

規定に無いですもんね?

本日、互助会の会議が始まる前の一コマ。

一緒に互助会運営メンバーだった隣の課の方(私より年上の純女さんで、私の1年後に入職)から、部屋が空くのを待っているといきなりこう言われました。

 

『(私)さんって、髪長いんですか??』

 

いきなりのその言葉に一瞬固まる私。だが、色々と気が付くし勘も鋭い方なのでまぁ訊かれるのも無理はないとすぐに思い直し、「ええまぁ、ある内に楽しもうと思って」と、いつもの言い慣れた切り返しをする。

 

その後に言われた言葉がタイトルにもした

『規定に無いですもんね?』

 

この言葉には、正直虚を突かれました。事実、弊社の*1就業規則上は頭髪規程は無い。それを把握した上でこの人は問いをぶつけてきたのか?と。私が髪を伸ばしていることと、それを服の中に隠していることまでは気付かれている。果たして理由については…

上の台詞のすぐ後に『コロナで行けなかったとかもある?』とは言われましたが、当の私は「家系的に今後アレなので…それ(行けなかったこと)もなくはないですけど」と定型句での受け応えを崩さず。そうしたら手で示しながら『え、腰くらいまであるの?』とまで言われたからどうしようかと思っていたら部屋が空いたので「いやそこまでは」と返しつつすぐ会議になりました。

 

実はこの人、明日で退職されます。今日は引き継ぎも兼ねた打ち合わせでした。これまでこの人に限らず職場では意図的に仕事で必要な範囲以上の関わりをせずにやってきて。それは男性的な私の記憶が相手に積み重ねられていくことへの懸念だったり、不用意な詮索をされるのを避ける目的だったりしたのだけれど。

でも実は…今回ばかりは私も誠実に応対すべきだったかなと少し後悔しています。それは彼女が去りゆく者だというのもありますが、この会話において私を糾弾するような雰囲気は感じられなかったから。元々の感情の起伏は寧ろ大きいし自己主張もされる方でしたが、上述の台詞で私の不安感は覆ったのです。"普通"ではなさそうと勘付いていながらも責める会話ではなかったことが嬉しかったから。同僚という階級差の無い関係性や、ごく短時間の雑談だった故に話を広げられなかったこともあるでしょうがね。

 

もっと早くこうした会話の場があったらどうだったか。立ち話ではなく部屋でサシだったら。「たられば」を今更挙げても仕方ないことですが、もしかしたら惜しい人を失ったのかも知れません。どうせ見られることは無いと思いますが、この場をお借りして感謝申し上げます。短い間でしたがお世話になりました。新天地でのご活躍を祈念致します。

*1:暗黙の了解や『新入職員の手引き』内のマナー本をコピーしたと思しき服装の目安は除く。