ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

お世辞とは思うけど

さて日曜日に行ってきた美容室。カットをしてくださったチーフさんが同じ事情を抱えた*1当事者でもあったので、カット中にはTにまつわるお話も色々とありました。半分以上私の身の上相談みたいになってしまいましたが。

 

まずチーフさんが疑問に思われたのは、私がお客様カードの性別欄・男に○を付けたこと。『私だったら女に○』を付けるとのことでしたが、私にはまだ無理でした。店に出す情報だから正しく…というのもありますけれど、まだフルタイム生活すらできておらず外見からも明らかなのでそちらに○はできません。多分、戸籍が変わるまでは無理でしょう私の場合は。『お店入ってきた時の様子を見てても女性だった』とは仰ってくださいましたが、その場ではありがたくてもどうしても素直には喜べないんですよね…。「私はお客さんですし、お世辞かな」と。救いようの無い人に向かって初対面・接客の場でいきなりとどめを刺すような真似はしないと思うもの。

『声も自然』というのは声に悩む身として嬉しいお言葉でしたが、まだ中尾彬ボイスを「出そうと思えば出せる」状態なのでなんとも。慣れて喉への負荷無く多少高めの声が出せるようになってきたとは言ってもねぇ。男性として自然な声ということなのでしょう。声変わりが少なかったというチーフさんが羨ましかった。

 

そうそう、話の流れで私がいわゆる"パートタイマー"で長髪を隠しながら男性として勤務していることもお伝えしたのですが、あっさり『多分気付いてる人いると思いますよ』と言われてしまいました。この時は私服で行った&マスクを外さなかったせいもあると思うけど、そういうものなのか私にはいまいち確信が持てない。多少髪が伸びていようが、身長176cm肩幅over 50cm平井堅似の顔で中尾彬ボイスの男に対してそんな疑い持ちますかね。同じTとしてのレーダーというか「そうかも知れない」という勘が鋭くなることは私もあると思っていますが、そうでない人にとってはどんなもんなんでしょ。

 

移行というか治療を始めて時間が経てば経つほど、自分がまだまだ男であることを突き付けられると日々感じますよ、うん。『パス度ばかり求めるんじゃなくコミュニケーションが大事』というのは尤もなんですが、前者が伴わない身としてはどうもねぇ…。

*1:自分からは言わないが隠しはせず、古いお客さんは知っているという立場だそうです。言わないと絶対わからないと思う。