ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

改めて、拙ブログについて。

12月1日。本日で、拙ブログも開設1200日目&1200記事目を迎えました。一応の節目になる日でもあります。なので、今まであまり"発信"色を強くしてはきませんでしたが、「シモーヌ Vol.5」経由で来てくださる方もおられると信じて、改めて拙ブログの説明をしてみようと思います。

 

まずありがたいことに、シモーヌ本誌のP.88-91にある「日記作品ガイド」の最後で拙ブログを紹介してくださっているんですよね。びっくりしました。現代書館様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

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ここで述べられていることで足りると言えば足りますが、もう少し具体的に。『アセクシュアルでMtX』というのは、トランスブログの色が出ていると見過ごされがちかと思っていたら、真っ先にこう記述して頂きました。元々、性的マイノリティであることを自認したのは性的指向に関する悩みが発端。はっきりと自覚したのはアセクシュアルの方が最初なんですよね。Mt……については、今の日本において未だ性別二元論が根強いことや受ける医療や(今後するであろう)周囲への説明の都合上「tF」と言う方がわかり易くはある。「男の身体のままで死にたくはない」となればイコール女だろう、といった具合に。でも私の大元にあるジェンダーアイデンティティは「男ではない」です。治療を始めてそれに伴う変化にしっくりきていても、ここは揺らいでいません。「女性になりたい」よりも「男性を辞めたい」の方が近い、とでも言いましょうか。

  

また、内容としては当事者としての日常ブログです。日常を綴るものではあっても、ジェンダー関連に結び付けられることがあれば意識して取り上げるようにはしています。中でも、職場とジェンダーセクシュアリティが絡む事柄や通院の記録が多いのは確か。それもそのはず、元々はジェンダークリニックの受診を始めるに当たって自分の考えを言語化し留め置く場が欲しくて始めました。初診前日の記事で「ジェンクリに向けた準備はこのブログの大きな目的の一つ」と書いてありましたね。

開設した2018年8月は、男性を辞めたい一心で迷いに迷って勇気を出してジェンダークリニックの予約を取った月。性同一性障害の鑑別診断の過程で自分史の記載を求められることは知っていたので、その整理をしたかったのです。一番最初の記事において「LGBT関連ニュースや自身の性に関する考え事など、twitterでは書ききれないこと・すぐ流れてしまうことを書き留めたく」と述べたように、SNSという媒体はどうしても言葉が流れていってしまう。そうでない、留め置く場として当時の私にはブログが最適だったわけです。

事実、ブログを通じて言語化を続けるという試みは私にとって大いに役立ちました。自身を振り返るだけに留まらず、感じたこと考えたことをアウトプットするまでのハードルが下がり時間も減りました。ブログを続けているのは、まだまだ考えることが多いのは勿論ですが、私が学生時代に言語化という営みを怠ってきたことへの反省もあります。変わらず無学ではあるものの、*1自分の頭で考えて自分の手で書く(もとい入力する)ことを怠って失うものは(書いたが故に今まで失ってきたこと以上に)大きいと思うのです。

 

なんだか大袈裟に述べてしまった気がしますが、後進に何かを遺すというよりは基本的に自己満足で書き綴っているブログです。気が向いた時にご覧頂けますと嬉しく思います。

*1:私は「自分の頭で」と書いておきながら、今の自分はそれができていないようにも感じています。キャッチーな思想にどうしても傾きそうになる。自戒。