ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

4団体共催zoom公開討論会「トランス差別について考える」

こちらも先週の土曜日の話。性的マイノリティを巡る問題に取り組む「女性スペースを守る会」「性別不合当事者の会」「白百合の会」「平等社会実現の会」の4団体共催による討論会が行われました。去る5月17日に衆議院議員会館でも会見を行ったこれら団体。私は帰路にスマホ経由なせいでただ耳を傾けることしかできなかったものの、そうした者も含めて参加者は270人以上と盛況だったようです。

 

今回は特に他称「TRA」とは論を異にする立場の論客が一堂に会し、その立場から現在のトランスジェンダー差別やいわゆる"行き過ぎた"人権運動に関して白熱した主張が繰り広げられました。「白熱した議論」と述べたい所ではありましたが、いかんせん登壇者が多く各団体やゲストの発表に割かれた時間が多かったので、パネルディスカッションと言った方が近い印象。

ファシリテータには滝本太郎弁護士、ゲストには千田有紀氏(武蔵大学社会学部教授)、森田成也氏(マルクス経済学者・翻訳家)。それに各団体の代表あるいは主要メンバーと錚々たる顔ぶれ。千田氏は"行き過ぎ"の発端とも言える活動家の主張の変遷を概観。森田氏はトランスジェンダリズムに生涯をかけて抗うと述べたほか、大日本帝国憲法下の天皇になぞらえる等して出生時の性別の重要性を説いていました。また、不合の会発起人・森永氏はトイレや風呂よりも就職や住居選びに際する差別の方を問題視しており、その点で私は共感を持てました。職場については現在進行形でクビと隣り合わせで、昨年の引っ越しの際も第一希望の物件は断られるかどうかの瀬戸際にあったので。

こうした中で、出版社・よはく舎の小林えみ代表は反対の他称「TRA」側の立場からの参入。当事者の過度な一般化を慎むべきなのは確かに陣営を問わず言えたこと。ただし、「どっちもどっち」感が抜けず雲を掴むような話という印象があったのは否めず。超アウェイな状況ということもあったでしょうから、次回があるのなら双方の立場でバランス良くより討論らしい討論がなされることを期待したいと思います。

 

残念だったのは、zoomのチャットがフルオープンだったためか、高速で流れていき質疑を拾いきれていなかったこと。加えて、チャット内でのやり取りに苛烈な言葉が見え隠れしていたこと。

討論会という体裁を取っている以上はチャットを閉めるわけにはいかなかったと思われますが、収拾が付かなくなるくらいなら閉じても良い気はしました。確か滝本弁護士が以前参加していたzoomのシンポジウムでも同じようなケースがあって、その時は途中から管理者のみの書き込みにしていたかと。相当な人数が集まることを読めていたかどうかはわかりかねますが、より安全で健全な形での運営がされるなら、議論に関しても同様となるのではないでしょうか。