ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

2022年度 末

閑散期から一気に繁忙期に切り替わる直前。次年度を見据えながら動く関係上、あまり実感の無かった2022年度最終日でした。

 

公私の「公」においては例によって断髪勧告を受けずに無傷の5年目終了。動きが無いことで安定した日々を過ごせてはいるものの、何も無さすぎて果たして*1このままで良いのかが問われています。根無し草のように渡り歩くしか無いはずの身がこうして職場の在籍日数記録を更新し続けられているのだから、本来ならそれだけで感謝しなければならないのだけどね。

また、本年度終了を以て*2労働者生活丸10年と相成りました。いい歳こいていつまでも幼いままの私が、働き続けてブランク無しにこうして一つの節目を迎えようとは。世間に、社会に、会社に、合わせて黙って声をあげずに過ごすことがどれだけ平穏に貢献したかは計り知れません。少なくとも表面的に「ひと悶着」が起きていない状況は、私の内心はともかくとして相当に日々を円滑にしてくれます。このような来し方を思うと、今日のような「可視化の日」に限らず可視化されることに反対し平穏に過ごすことを希求する*3GID当事者の気持ちもわかる気がします。行く末はどうなるのか。結局カミングアウトも改名(読み仮名変更)もせずにまた1年を過ごす予感。

 

「私」においては大病といえる不調も無く、睾丸摘出から1年が経過したことでホルモン投与に伴う変化もだいぶ予測できるようになってきました。実家絡みでは法要が無かったものの、元日には4年ぶりの実家訪問。滞在時間の短さに助けられ、想像していた苛烈な否定も無く拍子抜けする程度には穏やかな年明けでした。一人暮らしを始めてから最良の正月であったけれど、これで油断しきってはいけないなとも思う。両親が私にかけていた期待をあらかた手放した、と感じられたその時がXデーなのかもしれない。「死ぬまで隠し通す」の方が濃厚ではあるが。

ともかく、こちらの方は「公」と異なり多少は秒針が進んだのかなといった印象。時針も数字と数字の間にいるように見えるのは、私の思い込みなのかもしれない。次はどんな年度だろう。

*1:当然「否、良いわけが無い!」の意。しかし本性を明かせば懲戒一直線と決まっているから動こうにも動けない。

*2:私達は日々社会の中で生きているのであるから、断じて労働者を「社会人」とは呼びません。

*3:こうした方々と私とでは、容姿が雲泥の差なわけですが。