ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

冥府

今月末で、私の推しと同期デビューのとあるVTuberさんが引退されるそうで。”中の人"が実際にどうかはわかりませんが、少なくとも設定上はジェンダーフルイドを公言していました。声は恐らく女性生まれと思われますが、一人称は『僕』。ボロが出ずにずっと設定が貫けるのはプロ故……なのかもしれませんが、発言を聴く限りはどこかしら親和性があったように感じられます。性別に囚われない装いや言葉や考え、そして歌声に、ティーンも含めた若年層が多いリスナーの中では助けられた人もいたことでしょう。引退後の未来に幸あれ。

 

言及したこの人以外にも性別非公表だったり装いがノンバイナリ的なVTuberさんは散見されますね。アバターによって仮想空間上だけでも性別の枷から解き放たれる可能性を考えると、ソードアートオンライン的な世界に希望が持てなくもなかったり。同じトランス当事者さんの中にも、バーチャルアバターがきっかけで自身がモヤモヤと抱えていた性別違和がはっきりした方がいたっけ。

ジェンダーアイデンティティに悩む人にとって、今は昔よりもジェンダーについて気付いたり考えたりするきっかけとなる要素や媒体は増えてきていると思います。ですがそれがバーチャルな空間にまで及ぶとは。やっぱりきっかけは多いに越したことはないですよ。気付けず言語化できずに、「何だかよくわからないけれど辛い」まま一生を終えることを思うとね。私は上司の言葉が決定打だったけれど、本人が何で気付いたかによって「これがきっかけじゃないなんておかしい」という分断だけは起きないでほしいものです。