ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

出勤1000日目

を、迎えました。いや、何でこんなの数えてんだよって話ですよね。現職はいつまで続けられるのかと思い日報に毎日書くのを習慣にしていたら、いつの間にか大台突破。1000日なんて本来なら大したこと無いはずだけれど、職を転々としてきたせいでこれでも最長記録を更新中なんですよ。懲戒処分も断髪勧告もされること無く職場での立場を一応は守れているのは、本当にありがたいことだと感じます。

 

それもこれも、私の入念な隠蔽工作とどう足掻いても男にしか見えない骨格の賜物。「疑われすらしない」ほどの説得力の無さは、並みのトランス当事者がそうそう真似できるものでもないでしょう。真似したくもない、というのはご尤も。このまま日々の業務をこなしていけば、定年まで"正体"を暴かれずに勤め上げることも夢ではなさそう。自分の人生を天秤にかけてでも隠し通す価値はね、多少はあると思っていますよ。そもそも定年になる歳まで生きるつもりはありませんが、そのくらいから改めて移行を進める選択肢もあるのではないか、と。*1還暦前後という超高齢でのトランスは今の時代でさえ白眼視される生き方。それを承知で選びたいと思うくらいには、今の生活基盤を失うことは怖いのです。

こういう考えは、カミングアウト「しなければならない」必要に迫られていないから出てくるのだろうな。自分で自分の心身を危険に晒すくらいなら、守勢に入りたくもなる。私が職場で「しなければならない」もとい「心を守る為にはカミングアウトする以外の選択肢が考えられない」状況に陥ったら、考えも変わるのだろうか。次の1000日を過ごせた後に、私はどんな景色を見ているのだろう。

*1:なんなら現在の年齢でもトランス当事者内では高齢の部類に入る。