ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

『僕の空に季節はずれの雪が降る』

3月も終わろうとしているというのに、関東では季節外れの雪。こちらでは屋根がうっすら白くなる程度でしたが、私を驚かせるには充分でした。そして寒い。またも暖房のお世話になるとは…。

 

こんな出来事があると思い浮かべるのがタイトルの歌。シンガーソングライターの石川智晶さんが2007年にリリースしたアルバム『僕はまだ何も知らない。』の1曲です。

 

僕はまだ何も知らない。

僕はまだ何も知らない。

  • アーティスト:石川智晶
  • 発売日: 2007/08/22
  • メディア: CD
 

学生時代にアニメの主題歌から聴きだして、今までメロディで音楽にはまっていた私を初めて詞ではめたアーティスト。達観しているようでどこか思春期的な風合いを残す世界は、今も私を魅了してやみません。

 

先掲の1stアルバムはまさに名盤と言うべきもの。多分、手持ちのCDの内1枚しか残せないとしたらこれを残すでしょう。この曲の詞は聴き始めた当初も印象に残っていましたが、今になって聴いて・読んでみるとまた色々と刺さるものがあります。

どこで生まれたとか 何をしてきたとか そんな

重ねてきた過去が 体を重くさせるよ

だけど悲しいくらい それなしではいられない

10・20代を終え30代に突入してしまい、更には男を辞めようとしていて、でも昔からの繋がりを切り捨てることもできなくて。その身動きの取れなさ・重さをひしひしと痛感しています。

この白い毛布に 隠れて咲くような

人間(ひと)に君は本気で話して くれないはずだから

 まさに自分の在り方を言い当てられたかのような図星感。『隠れて咲』いて毛布を取ら/れない。邪魔しているものは数あるようで結局は自分自身が毛布を脱げるかなのかも知れない。

無人の滑走路に いつまでも立てない人間(ひと)を

もう一人の僕が その背中に吠えていた

既に先達が飛び立っていった『滑走路』。それがあることもわかっていて行く先も見据えているのに、どうしてか踏み出せない。つくづく臆病者です。

 

この人の書く詞で何が自分に刺さるか。そこからする自己探求が割と核心に迫りがちなのは私だけでしょうか。聴いたことの無い方は是非お試しを。雪は雨になり止んだけど、まだまだ夜は冷えますね。