ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

父方祖母十三回忌法要

法要当日でした。スーツに身を包むことや髪を隠すことは平日に日々やっていますが、平日のそれとは意味合いが異なります。ワイシャツは実家時代から使っている純白のもの。前髪をオールバックにしてヘアジェルでガチガチに固める。パッと見では"その筋の人"にも見えなくはない程度には男らしさを強調した出で立ち。声も普段より低く、というか響かせ方を変えたつもり。仕事の時の方が、見た目も声もまだマイルドです。

この姿自体は実家が絡む冠婚葬祭の折に毎度やってきていますが、自分で見て今までと印象が変わった所もあります。一つが目元。前はもう少し厳つい雰囲気でしたが、それがだいぶ薄まっているような。身支度をしている際に一瞬"男装"っぽく見えたのはそのせいか。もう一つは額。以前よりカクカクしていない気がする。まだ四角くはあるのだけれど、育毛剤の効果はゼロではないようです。最後に脚。座った時とか特にですが、内側に寄っている。実際の法要の席ではかなり意識的に脚を開いて座るように努めました。図らずもこうした変化を感じたというのは、私にとって進歩なのかも。しかし、この出で立ちで外を歩いた時に疑いの余地無く男と見られることもわかるので、それはわりかし堪えることでもあったり。

 

準備を終え、ギリギリに着くよう調整して家を出る。駅からの道のりで汗だくになっていると、(開始20分前)両親からメールと電話の着信。言われなくても向かっているよ。空は晴れやかでも自分だけ曇天な中、寺の控室へ到着。「どうも遅くなりました」と先んじて親族一同に挨拶し、両親(実父が長男なので上座)から一番離れて空いていた下座へ着席。実母が用意していたような芝居がかった口調で「お久しぶりです」とお茶を差し出してきたので空返事で受け取った。給仕は女性=実母と2人の叔母(実父の妹と弟嫁)の役割、なんですね。やっぱり。従兄2人(実父の妹の長男と弟の次男)の妻は今回参列していませんでしたが、前回(祖父十三回忌)はその役割を実母らと共に担っていましたから。参列者に「嫁」がいないのは、恐らく感染症対策で代表者=家系に連なる者のみ参列となったのでしょう。孫世代で唯一姿を見せなかった従兄の内の1人(実父の妹の次男)は、料理人という仕事柄もあるとは言え本当に"うまいことやっている"なぁと思わされます。

 

さて、控室でがっつりと「積もる話」をされるかと思いましたが、楽器を背負っていたおかげでその手の話題が中心になったことは幸いでした。コロナ禍での音楽活動となると親族一同にも馴染みの無いことなので、表層的な話に終始していられる。そういう意味では情勢にも助けられた格好です。両親と離れた席に座れたのも運が良かった。本堂に移動する際に叔母(叔父の嫁)から『ねぇ(私)くん髪ってどうしてる?襟に隠してるんだ、どの辺まであるの?』と突っ込まれた時には焦りましたが、「チョロっと出てるくらいっすよ、ちょいとアーティスティックにというか」などと流しておきました。この返答、後で実母に告げ口されたのかな。

しっかりと距離が取られた本堂での読経と法話が終わると、出入口まで出て実父が解散の音頭を取る。途中、実母に『ちゃんと食べてる?もっと連絡しなさいよ』と言われ、機種変したスマホの設定を手伝わされましたが、スマホ絡みで話を逸らせたことは大きかった。電報の方がよっぽど怖いわ。実父が従兄(叔父の長男)と私に向かって『(結婚は)どちらが先になるかね』と言ってきたことの方が堪えた説まである。「当たり前にするはずのことをまだしていない」という認識で来られるのはやっぱり……ね。でもこれだけで済んだのは御の字でしょう。

 

『法要はしばらくありませんが、そうでなくても会える機会を作れればと思います』と結んだ実父。「そんな機会いらない」と心の中で思う息子。明日10月11日は国際カミングアウトデー。核心に迫ることに私は口を閉ざしたまま、今日が終わった。今はまだ、やり過ごすことが最善。でもそう遠くない内に限界は来るのだろう。もう追って来ないで。

ずっっっと会えていなかった息子にも会えて…

コレも、仏さまのおかげ

 

ホッと♥‥致しました('∀`)

じゃなくてですね(実母Instagramより)。こっちは終始気を張って生きた心地がしませんでした。疲れた。