ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

言いたいこと言う

実母から一方的に提示された法要の日程。先約があると言ったら泣き落としのお気持ち表明長文メール。「私が折れればいいんでしょ」と思いながらも、その日の予定は滅多に無い貴重な機会。先のメールであろうことか電話口で伝えたはずの本番当日を代替日として出されたものだから、どうにかして欠席を勝ち取りたいと思い、逡巡の末に実母へ電話をしました。

 

まずは私から開口一番「メールにあった日、本番当日だって言ったよね昨日電話で。覚えてないの?」と攻めの一手。実母は『じゃあ全部ダメ?』と言うのでこちらは肯定。えーーーーー、と残念そうな声。自称アラフィフのアラカンにしては幼さのある声。どうしても参列してほしいのを察知して、私もしょうがなく「法要の時間になったら現場で途中抜けさせてもらうから、スマホでネット中継とかできん?」と妥協案を提示。すると、『無理に決まってるでしょ!?だって(寺院名)だよ!?』と。築地を知っている身としてはそこまでのお寺という印象は全く無いのだが、どうやらzoom的なものでのオンライン参列は無理らしい。こちらも準備を重ねてきた予定であると改めて話すと、実母は意外な程早く……だが渋々と私の法要欠席を認めてはくれた。「こっちも時間見つけて*1墓参りに行こうと思うからさ」と言って話をまとめようとすると、実母はすかさず『えーじゃあ7月のどこかでこっち来てよおばあちゃんのお遺骨はまだこっちにあるから』と反撃。しかしこの時は自分の予定を優先できる喜びが出てきて少しだけ勢いづいている私。「あー、わかった」と承諾するように見せて話半分にしか聞いていません。

ここからは私のターン。「*2そっちのお盆の事情を把握していなかったのはワシも悪かったけど、せめて『いついつら辺に法要だけど都合の良い日は?』くらい打診があっても良かったんじゃないの?」と、一方的に都合を訊かずに日程を提示してきたことへの憤りをぶつける。『だってぇ、(当日)はおばあちゃんの命日なんだから、その辺りに法要があるのはわかってたでしょ?』と実母。それはそう。しかし、こちらも先に言われていれば空けられる時間はあったわけで。1ヶ月前に言われていたら承諾していたと思う。「まぁでも……親から見たら子供かも知れないけどさ、一応成人同士の予定調整なんだから、打診の一つくらいは欲しかったね。別にばあちゃんが死んだからもういいとかじゃ全然無いし、こっちだって生前のばあちゃんの逞しさは見習いたいとずっと思ってるし感謝だってある。」と、冷静で・論理的であろうと努めて"相手が関わる予定を打診無しに一方的に決める"ことの非常識さに苦言を呈してみる。これに対して実母は『でも……おばあちゃんの三回忌だから(私)くんは何も言わなくても来ると思ってた』としょぼくれた声色で答える。改めて実家に来るよう言われたが、生返事で電話を切りました。

 

切った瞬間にガッツポーズですよ。法要当日にある予定の重要さもそうなのですが、原家族と顔を合わせないで済むことの喜びがね。7月に実家の仏壇でお骨と対面という口約束を、喉元過ぎれて忘れてくれていればいいのですが……。そうはいかずまたひと悶着はありそうです。何とかして躱す方法は考えておかねばです。

それにしても、『何も言わなくても来ると思ってた』。実母の本音、出ましたね。私に甘えていたというのがハッキリわかった。この言葉を引き出せただけでも御の字か。オンライン参列が無理という話も、電話口でこそややこしくなるから言いませんでしたが、それって寺に確認したんですかね。『息子が参列したいけれど予定があって現地には来られないからスマートフォンのカメラで配信させて頂けますか?』と、私だったら実際に先方の可否を尋ねるね。どうせ参列者は両親と、私を入れても最大3人だ。神聖な時間・空間だから寺として無理なのか、それとも確認はしていないけれど対面参列しかあり得ないと実母が思い込んでいるから無理なのか。真相は不明のままですが、「○○はこういうもの/当たり前だから」という良く言えば常識的な価値観・悪く言えば凝り固まった思い込みベースで他の可能性を考慮しない傾向も、やり取りを通して改めて浮かんできたように思えます。ただ、書き出してみて思うのは「哀しいかな、私も似てしまったな」ということ。考えた気になっているっぽく見せる為に付け加えるそれではなく、本当の意味で「自戒」したい。人の振り見て我が振り直せ。

 

今回は法要にフォーカスして私が言いたいことを言っただけなので、核心には迫っていません。ですが、このほんの少しの抵抗でも、私が自分の都合を我慢せずに済んだということは成功体験の一つになり得ます。ゆっくりでも確実に、なるべくならここから後退はしたくない。背中を押して下さった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

あぁ、スカッとした!!

*1:実際行っているし。

*2:俗に言うお盆休みより早く、近隣寺院から人をかき集めてまで檀家宅を回るので法要は不可と言われた。