ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

酸っぱい電車

認知的不協和の話?それはブドウな。

 

文字通りの意味です。最近、一気に高温多湿になってまいりました。ジメジメとして空気が淀み、不快な日も増えております。

そんな中、帰りの通勤電車で感じたことがこれ。乗客が多くなった夕方の電車は「酸っぱい」。体臭や汗が混じり合ってマスク越しでも息を止めたくなる程の刺激臭を感じます。空調や窓を開けての換気が意味を成さない。乗り換え駅を過ぎて乗客が激減したら和らぎはしましたが、終点まで息苦しい時間が続きました。

 

…と、自分もこういうことを感じるようになった事実は感慨深くもあります。ここ最近でしょうか、自分が今までより汗の匂いに敏感になったのは。今まで…少なくとも昨シーズンまでは、息を止めたくなるような苦しさは覚えませんでした。これもホルモン治療に伴う変化なのでしょうか。或いは単に加齢かも知れません。

しかし、自分自身が発する汗については逆により鈍感になったとも感じています。数年前は夏の練習から汗だくで帰ってくると刺激臭がわかったものですが。あの頃20代、今30代。ああは言いましたが、私が無自覚なままで異臭を振り撒いているとなっては迷惑だし恥ずかしいったらない。香水や制汗スプレーにも限界がありますし、汗を止める強めの薬も視野に入れて対策を検討中です。忌避する属性を自身が纏っていることを突き付けられるのは、非常に非常にこたえるのでね…。

また取ろうか

前にほくろを除去してから3ヶ月が経ちました。鼻筋の方は特に順調な経過。少しずつ膨らみも引いてきました。一方鼻下はまだ膨らみが目立ちます。元々傷の治りが遅く瘢痕化もしやすい体質だったので、ある程度はやむを得ません。ほくろ自体も盛り上がっていて、相応に根深そうでしたし。元のサイズを押し広げてケロイド様になっていないだけマシというもの。去年除去した頬のほくろも目立たなくなるには1年近くかかったので、そのくらいのスパンは見ないとかもです。

 

何故3ヶ月という節目で気にするかというと、私がほくろを除去した美容外科では前回の施術から3ヶ月経てばまた保険適用で除去をできるようになるから。場所は少し遠いですが、大きいものでもそこそこの価格で取れるのは助かります。去年行った別の美容外科からも最近クーポンが届いたから、小さいのを取る時はそちらを利用してもいいんですけどね。目の横に大きいのがまだ残っていますし、また複数取るつもりです。

 

…と言ってもそんなに直近でやるつもりはありません。これからの季節は暑い上にマスクで顔全体が非常に蒸れるので。患部の治りを考えると、早くても10月以降でしょうか。睾丸摘出と被ってしまうと、気を遣うことが多くて大変そう。

バレた!?

弊社入職以来最もヒヤリとした本日の一コマ。

 

仕事上でいつも絡む例のパートさんの所に書類を受け取りに行ったら、ついに訊かれてしまいました。

 

『○○君どこまで髪長いの?結構伸ばしてるよね?』

 

一気に血の気が引いた。咄嗟に「首くらいですかねぇ」と嘘の返答。実際は先端が鎖骨に触れるくらいはある。そのまま間髪入れず「まぁ髪がある内じゃないとできないので。父も若い頃からかなーり頭が寂しいのもありまして」と使い慣れた言い訳を付け加える。「髪が薄くなる前に一度伸ばしておきたい」、髪を伸ばしていることを職場の人に指摘された時の為に用意している表向きの理由です。
この誤魔化しを受けてパートさんは『まぁオヤジじゃできないからねぇ。うちの息子は大丈夫そうかな、アタシの家系を受け継いだみたいだから。旦那の方を継いだら悲惨だったかもね(後略)』と話題を移してくれて、頭髪の遺伝について少しだけやり取り。その後すぐに受け取った書類に関する確認事項もあったので、"最大の危機"は取り敢えずやり過ごせた格好。

 

尚、こう言われた際にパートさんは私が立っている姿を真横から見ていました。ワイシャツの中に髪を収納していても、横からだと髪の先端がどこにあるか見えないから気付かれてしまうんですかねこりゃ…。結び目が膨らまなくても、襟の上の髪が不自然に丸いシルエットを作ってしまう。

今の*1"収納方法"は、髪が伸びてきたが故に崩れにくいもの。ですが、1人とはいえ遂にかなりの長さに伸ばしていると勘付かれてしまったことや、1ヶ月半後に法事を控えていることを考えると、現時点での長さもそろそろ潮時なのかも知れません。

『いつまでその定型句を使うつもりだ』『本当のことを言わなさ過ぎ』『移行する気があるのか』、そのような指摘はごもっともです。ただ、この絡みでヘマをしてしまうと*2何もかもを失う可能性が高いので、臆病にもなります。火種が燃え広がらないと良いのですが…。

*1:硬くて小さいゴムで後ろ一つに結んで、結び目が襟で隠れるようにゴムの位置を下げてチョンマゲごとワイシャツの中に入れる。

*2:カミングアウト→クビ→収入を失う→家賃を払えなくなる→実家へ強制送還→断髪→結婚圧力をかけられながらの座敷牢生活で治療中断、の流れ。

頻度

6月からひっそり進めている取り組みとして、実母への"定例報告"の頻度を徐々に下げております。緊急事態宣言、また同時期の私の発熱に伴い毎日連絡をしてとの指示で始まってはや2ヶ月。元はと言えば、5月下旬に寝落ちをして夜にするはずだった連絡が朝になったことがきっかけでした。祖母の誕生日やら一周忌の日程やら、メールを見ては負担に感じることが増えていた頃です。失錯行為(フロイト)としての側面も大いにありましょう。

 

送り忘れてすぐの頃は「出勤前に返信しないとまずい」と危機感たっぷり。しかし次第にそれも薄れてきて「明日中ならいいか」などと思うようになってきています。実際、一昨日に送ったきりなので多分次に送るのは今夜でしょう。

こうやって少しずつ間隔を空けていき、あわよくばフェードアウトしたいというのが私の思惑。それと併せて一周忌も近付いてくるので、簡単にはいかないでしょうがね。せめてBefore COVID-19の連絡頻度に戻したいし、こちらからは送りたくない。

 

「去る者追わず」どころか何をしてでも地獄の果てまで追い掛けてくるような輩が相手なので、このくらい慎重にするほかありません。今は幸い向こうから連絡の頻度が減って寂しい旨のメールは来ていないのでいいですが、これからの相手の出方は怖いところ。アラ還なのに『寂しいですぅ〜』とか送ってくるの、鳥肌もんだわな。

ホルモン注射 24本目

注射をしてからの変化について、何となくですが傾向が出てきたような気がします。ジェンクリでの注射は今までに比べて早いスピードで行われるようになり、心の準備をする暇もありませんでした。前回に引き続き非常に痛い。肩の上の方だとやっぱり痛みが強いようです…。

 

さて変化の話。ホルモン注射当日は、打ってからだいたい3~4時間で最初の変化が起こります。まずは眠気。一応動けはするのですが、すごくふわふわとした眠気が来ますね。一度座ったり横になったりすると、立ち上がるのが難しくなります。これが起こり始めてから4時間くらいは持続しますね。休日の予定が減ってしまったせいで注射後にはすぐ帰宅するようになり、結局夜まで使い物にならなくなる日が増えたような気が。この時は気分の上下や吐き気等は無く眠気だけ。と言っても平時も夜の眠気とは少し違って「電池切れが近い」みたいな感覚でしょうか。怠さともまた異なる、これまでに無かった独特の感覚です。

他にあるのは身体の表面の変化。注射から8時間くらい経つと胸部には張りを感じるようになります。これは注射前後で顕著に変わる所。「重力に逆らっていく」とでも言いましょうか。時々不定期にチクチクすることもあり、これは遅くて6~7日後にも感じることがありました。余談ですが、わざと猫背になればフォルムが全く目立たなくなるので、クールビズ期も取り敢えず大丈夫そうです。

後は針を刺した左肩。午前中に注射を打っても翌日の午前中くらいまでは固くなっています。左を下にして寝転がると肩が押されてかなり痛くなるので、当日は寝相に要注意。

 

…と、こんな具合の変化が毎回起こるようになってきました。相変わらず脂肪や肌質といった所の変化はほぼ0なので、きっと受容体は他の皆様より少ないのでしょう。それでも、注射に対する身体の反応が固定化されてきたという点からは、身体が慣れつつあると言えるのかも知れませんね。

ジェンクリ #30

血液検査の結果発表ということで、緊張の中向かった本日のジェンクリ。空いている待合室にも慣れてきました。最近はバッハの無伴奏チェロ組曲をぱたりと聴かなくなってしまった。早速主治医から結果が返されました。肝機能が基準値の中ではやや上の方に位置していたのでそこは注意していこう。外出が激減し懸念だったDダイマーは0.5未満。ウォーキングやヒップアップストレッチが奏功しているようでひと安心。

 

さて、もう一つ懸念だったテストステロン値についてはこちらも0.5未満。ここ数回はずっと0.5前後で推移しています。これならそろそろ…と思い、年内には睾丸摘出を考えている旨を主治医に打ち明けました。主治医からは当然ですが『メリット・デメリットをよく考えた上で決め』るようにと言われ。SRS時の材料が減ることは勿論、今いくらテストステロン値が低くても、睾丸摘出をするとホルモンバランスの乱れがより大きくなり意欲低下や更年期症状が出易くなることも併せて釘を刺されました。

私の場合は年齢も考えてこれ以上の男性化を抑制したいことや、経済的・社会的事情によりSRSはかなり先(少なくとも2、3年という次元ではない)になることが摘出を考える理由であることは改めて伝達。

尚、ガイドラインに沿った形では睾丸摘出にも主治医の意見書が必要になるそう。SRSに準ずる手術というのが理由らしい。私の方で時期を決断したら、手術する医療機関への連絡と並行して主治医にも報告し、意見書作成という流れになります。

 

他には職場で「含みのある反応」をされて気になっていることも懸念として挙げましたが、カミングアウトのタイミングは見誤らないようにと喚起されました。流れと勢いに任せて…というのが昨日の勉強会の事例にもあったせいかつい意識してしまいますが、するならば時期と人を選んで慎重に慎重に。石橋を叩くことはこと性別移行では足を引っ張ることにもなりかねませんが、安心安全を意識する権利くらいはあるはずです。

職場とセクシュアリティ オンライン

今夜は3月ぶりの「職セク」でした。場所はまだまだオンライン。常連の皆様やお初の方まで10人ほどでの開催。今回はCOVID-19特別編ということで、「在宅勤務でプライベートな事情が会社に知られてしまったらどうする?」とのテーマに沿った事例が取り上げられました。同性パートナーと同居している方が感染対策から在宅勤務となり、ビデオ会議でパートナーの存在が映ってしまい、茶化されるのを止めようとした事情を知っている同僚が善意とはいえアウティングをしてしまう…。単純に責めるだけとはいかず、何とも苦い事例でした。

 

この事例に限らず、COVID-19禍の中で行われた複数の調査において共通して挙がっているのが『アウティングへの恐怖』。私もそれは感じています。職場に行動履歴を知られてしまうとホルモン治療での通院がばれるので言うことを躊躇う・隠すとか、感染したら性別等の属性も併せて報道されてしまわないか(私の場合はバレバレだけど)心配になるとか。かかりつけの病院に行けなくて、私の事情を知らない新しい病院に行かねばならないというのもそうですね。

 

さてこのアウティング。6月1日に施行されたパワハラ防止法では、アウティングの防止策を講ずることも盛り込まれました。今まで以上に企業が様々な対策に乗り出すことを期待したいのですが、今月からなのはあくまで大企業。中小企業は次年度末まで努力義務。法的拘束力や罰則が無く、企業によっては無法地帯が続くこともあるのではと私は危惧しています。2年弱というのは短いようで意外と長い。職場環境に満足していない場合には特にね。

セクシュアリティに限らず、少なくとも仕事上の関係においては(特に機微な)プライバシーを詮索する必要は無いと私は思っていて。仕事上のやり取りを円滑にするためのある程度の雑談はともかくとして、それ以上"内側"に土足で入って荒らすような真似はしたくない。こう考える人達が安心して働ける企業が今後増えていけばと願います。企業の環境整備としては、弊社にはせめてハラスメント研修くらいやってほしいんですがね…。

 

来月はいよいよオフラインでの会が復活。その日は奇しくも実父の誕生日。だから何という訳でもないですが、やっぱり直接の対面も楽しみなのです。

(6/21追記: どうやら当分はオンラインとのこと。参加者たる我々の属性を考えても、そう簡単に復活とはいきませんね。)