#AceFesta
昨日は「NPO法人 にじいろ学校」様主催の「 #AceFesta 」に参加してきました!
過去最大のアセクシュアルイベントと銘打たれ、吉祥寺にて昼の講演会と夜の交流会という二部構成で行われました。
昼の部
会場に到着し「ここでいいよね?」とウロウロしていたら、初対面の筈の代表・ふなはるさん(設営中でした)から「じゅりさんですか?」と声を掛けられびっくりした所からスタート。twitterに参加の旨は書いていましたが、実写アイコンの力というやつでしょうか。これ以降お話する時間無かったのが心残り。
講演会最初の登壇者はSSWの傍ら啓発活動を行っておられる湊明乃さん。養子縁組でパートナーと入籍をされているとのことで、日本で同性婚が制度化されるのを私達は待てなかったと仰っていたのが印象的。入籍による制度上のメリットや得られる”信用”のお話を聴いていると、日本の家族の在り方が時代に合わせて広がって行って欲しいと強く思います。以前読んだ「まぼろしの『日本的家族』」という本をもう一度読み返したくなる。
そして私が「なるほど!」と膝を叩いたのが、職場でのカミングアウトのお話。教育現場という特性を活かして上司に「私を批判すると逆に叩かれますよ?」と言い放ったエピソードには心打たれました。世の中の潮流や業界の特色…使えるあらゆる要素を動員するそのアグレッシブさ、私も「いつか」が来た時の為に胸に刻みます。
次の登壇者はシスヘテロ男性とパートナーシップを結ばれている和泉直さん。パートナーさんとお二人でのご登場。恋愛や性愛ではない「家族」の一つの理想形がそこにあったような気がします。生涯で「馬の合う」人と出会えるかどうかもかなりの運ゲーと思われる中、お互いのセクシュアリティが異なるにも関わらずそれを尊重し合えて居心地良く暮らせる出会いをなさったお二人。私はあまり使いませんが、運命的・奇跡的とつい形容したくなります。
Aceであれど完全なるお一人様で良いかと言うとそうも言い切れない私。「今後誰かと生きていくのか」「その形態は家族というものかどうか」…齢30、遅まきながら考えてみようかと。
最後の登壇者はゲイ当事者としてセクシュアルマイノリティのライフプラン相談に携わるFPの中村俊介さん。将来・老後が気になるお年頃として気になる制度の情報が盛りだくさんでした。一人で生きていくとなると、不慮の事態を一人で解決する為にも必要なのは先立つ物。老後の前にトランスに伴う健康リスクが先には来るのですが、仮に60過ぎても生きるとしたら確定拠出年金の有無で大きく変わるなぁと。私の職場でも秋口に説明会が行われていました。手取りの減少が金額的にかなりの痛手だったので諦めたのですが、もし生きるなら考えてもいいかも。
後は死後事務委任契約。家族はいても頼れない身としては、真剣に検討する価値がありそう…。Aceの生き方を考えた時に、観念的な話も勿論大事だと思いますが、同等かそれ以上に現実的な生活の話も大事だと思うのです。
夜の部
お昼に知り合った方々との食事を終え、夜は交流会。なんと参加者は100名以上!吉祥寺にこんなにAceの方々が集うとは驚き!そんな中でも既知の方のお顔がお昼より増えていて、安心感がありました。
アイスブレイクの後に、いくつかのブースに分けて各30分×3のグループトークへ。下記の多彩なブースから成っていました。同じブースに留まるのも可能でしたが、私は④→①→⑥と渡り鳥。
①Aロマブース
②ノンセクブース
③学生ブース
④大人ブース
⑤音楽ブース
⑥フリーブース
⑦ゲストブース
(その他、情報コーナーや物販)
大人ブースでは、私がなんと年齢で下から2番目。先日のXジェンダー交流会でほぼ最年長だったのとは大きな差です。Aceの年齢層の高さは、恋愛や結婚のプレッシャーがかかり始める時期に自認のタイミングが関係あるのでしょうか。その他セクシュアリティは確かに思春期に置かれている環境が自認を促しやすい側面はあるように思われます。
老後や「もしも」の時に頼れる存在、恋愛に拠らないパートナー関係、Ace同士で共感できる点の多さ=理解者の絶対数の少なさといった面から、取り得る生活形態に関する話題が主でした。Aceアパート、コレクティブハウス、ルームシェア…私としては「事情(セクシュアリティ)を理解していて頼れる相手が居てほしい」「個人の空間は必須なので、同居やルームシェアよりはアパートの隣同士のような距離感が良い」という希望があることも見えてきました。生活圏が被っていないと厳しいなぁ。
お次のAロマブースでは、年齢的立ち位置が一気に逆転して私は上から数えた方が早そうでした。そして大人ブースに続いて私以外は恐らく純女性の方々。「Analysis of the 2011 Asexual Awareness Week Community Census Q.3」によるとAceの約半数が女性自認とのことで、その人数比にも頷けます。
さてこちらでは共感する話題の数々。「好きにならなくちゃ」と思っていたが無理だったこと、異性を好きになれず同性が好きなのではと思ったこと、「まだ出会っていない」「理想が高い」と言われること…恋愛があまりにも日本において”当たり前”であり過ぎる故の苦悩に「わかる」続出でした。
私の場合は(身体的)異性に恋愛感情を抱けなかったことでの上述の苦悩もありましたが、寧ろ周囲から「あまりに浮いた話が無いし好きな人もいないらしいし、あいつはゲイなのでは?」と言われて苦しい時期がありましたね。その体験が自分とAceを結び付けるきっかけではありましたが。
最後のフリーブースではこぢんまりとテーマ問わずまったりトーク。健康の話とか肩凝りの話とか。Aceが集まって「一人じゃない」けど皆が「一つじゃない」。前2つのブースでも感じていましたが、テーマを縛らないことで個々の色が出て、よりそれを強く感じられたブースだったと思います。
最後には今回の #AceFesta に寄せたメッセージVTRとライブハウスらしくダンスステージで、大盛り上がりの中幕を閉じました。
閉会の辞でのYouTuber・なかけんさん(性性堂堂)の、日本は恋愛や好きについて考えたことが無さすぎるとの発言はとても刺さりました。パッケージ化された”当たり前”だけが全てなのか…いやそうではない、と私も一Aceとして訴えていければ。そして代表・ふなはるさんが来年以降の連続開催への意欲を感極まりながら語るお姿を拝見し、これからも「にじいろ学校」様の活動を応援していきたいと思いました。
特定非営利活動法人にじいろ学校 - 特定非営利活動法人にじいろ学校 - セクマイかな?と思った時に最初にアクセスできる団体
閉会後も資料を貰ったり参加者の皆様とお話していたら、あっという間に撤収の時間。12:00〜21:00と長丁場のはずが、とても短いと感じた1日でした。それほどまでに濃厚だったと言えます。改めて、今回の場を設けて下さった「にじいろ学校」様、運営スタッフの皆様、登壇者様、参加者の皆様、ありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。
敢えて何か改善点があるとすれば、人数が多くて全員と交流しきれなかったこと、トイレが男女別のみだったことでしょうか。
また来年を、そして来年でなくても知り合えた皆様との別途交流の機会が持てる日が来ることを楽しみに、 #GoAce !!