ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

音響侍吹奏楽団 第13回演奏会

昨日は「音響侍吹奏楽団」さんの演奏会を聴きに行ってきました。企画バンドでご一緒した方からお誘いを受け、初めて拝聴。

 

こちらは全国に幾つか存在するLGBTQフレンドリー楽団の内の一つで、ゲイオンリーの吹奏楽団。パンフレットに挟まれていたチラシからも同種の団体の多さが窺えましたが、加えて驚いたのは今まで私が関わってきたどの楽団とも違う広報スタイル。

チラシの配布はゲイバーやMIXバーが中心で、無料だけど紙・電子を問わずフライヤーの提示が無いと入場不可。ゲイオンリーという特性上、理解のある人が訪れる場所にしかチラシを置かず、電子フライヤーも団員が人を選んで配布。良くも悪くもですが、演奏会の存在を知る段階で団体側からのフィルタがかかるのは特徴的でした。今のご時世を考えても妥当だし、音楽に馴染みの無いお客さんを取り込むにも上手い手かと思います。

こういう団体だからか、アンケートの性別欄もこの通り。

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推せる

 

さてさて、気になる公演本編は3部構成。まず1曲目を聴いた時点で、そのレベルの高さにびっくり。総じて上手いのですが、特に打楽器と(私も演奏する)バストロンボーンは素晴らしい…。更にはテューバ3人・コントラバス4人・木管のレアな低音楽器も勢揃いという層の厚さと安定感。緩急・強弱がとても幅広く付けられており感服致しました。

 

1部を終え、休憩中に舞台上では猛烈な勢いでセッティングが変えられていきます。2部はミュージカルステージだったのですが、なんと2部だけで70分!!演目は「美女と野獣先輩」。小ネタもあり、ダイバーシティに関わる台詞回しでハッとさせられるシーンもあり。そして演奏も芝居もクオリティが高い!*1衣装も本格的。キレのある演奏とそれにシンクロする演技。すっかり見入ってしまいました。もうお金払いたいレベル。

 

3部の「中国の不思議な役人」も長丁場の芝居を終えた後とは思えない安定っぷりで圧巻の一言。アンコールまで楽しく聴かせて頂き、本気のパフォーマンスを見せつけられました。アマでここまでできるのか…。お客さんも大入り。恐らく音楽をやっていない方も多数おられたと思いますが、皆さん笑顔で口々に感想を語り合い、ロビーからすぐ出られない程だったのが印象に残りました。

 

なお休憩時間は客層の関係で男性用トイレが長蛇の列でしたが、そんな時に通路にいくつかドアがあるのを発見。

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「ゆったりトイレ」なる共用トイレだそうで、私のような人にも優しい設計で助かりました。これと別に多目的トイレも完備。ありがとう練馬文化センター

 

高クオリティなパフォーマンスをするのにパブリックにできないのが悔しいですが、本当に良いものを聴かせて頂きました。テューバのKさん、この度はお誘い誠にありがとうございました。またご一緒できますように。

*1:まさか吹奏楽の演奏会でドラァグクイーンを見ることになるとは思いませんでした。