ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

Rainbow Crossing Tokyo 2019

本日は、認定NPO法人ReBit主催の「Rainbow Crossing Tokyo 2019」に参加してきました。

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こちらは年に一度開催されるダイバーシティ&インクルージョンに関するキャリアフォーラム。LGBTQに限らず、障害や外国人等も含めてトータルでD&Iに関する各企業の取り組みが紹介される場です。私はここ最近は労働者側の話しか見聞きしてこなかったので、企業側の話をじっくり聴くのは久し振り。直接の求人には繋がらなくとも、最新の知見を知ることに加え職場に持ち帰れる取り組み等もあればと思い参加しました。

 

会場に入ったら、申込ののち開会の基調講演へ。『SDGs 5(ジェンダー平等)達成と企業の役割』として、主に国連機関「UN Women」の取り組みが紹介されました。話の中で各種問題の根として挙がった『個人のこうしたい・こう在りたいを他人が決めている』という指摘はあらゆるマイノリティに当てはまると感じたし、何ならそう括られずとも様々な規範に溢れた世の中全般に言えるとも感じました。一部の人だけの問題ではないね。

 

その後はすぐにキャリアカフェブースへ。選考プロセスにおけるカミングアウトについての考えを参加者間でシェアする場でした。新卒就活生から転職活動者、企業担当者と様々な層の人が集まった為か、30分という時間はやや短かったなぁと。私が感じたのは、「訊かれるまで待とう」「こちらも選ぶ権利がある」って辺りですかね。パネルトークの前に企業ブースも回りましたが、人だかりができて全体向けに説明している所もあれば人が少なくて個別相談に切り替えている所まで様々。*1弊社の大口取引先である某社(一部業務委託も受けていたり。)は後者でしたね。やっぱり企業ごとのイメージでしょうか。外資は前者、日系企業は後者が多かった印象です。

 

さてパネルトーク。私が聴いたのは『ダイバーシティ&インクルージョンを文化にするために、企業ができること』というもの。制度的な取り組み以上に重要と私が働く中で感じてきたのが「社内の文化・風土」。日系3社が登壇するとあって、さてそこにどうアプローチしているのかと楽しみにしつつ着席しました。

一通り聴いた感想を一言で書くと「進み過ぎていてショックを受けた」ってとこ。名だたる大手企業ということで、歴史ある日系とあればさぞお堅いものと思っていました。しかし蓋を開けてみると、性別・国籍・障害等で社内に多様な人がいるという価値観が当たり前SDGsは当然知っているものとして話が進む。『取り組みの成果を感じるのは社内のごく一部』と担当者が話していた弊社の大口取引先も、経営陣が時流に敏感になりトップダウンでD&I施策を進めている。LGBTQ研修は行われていることが3社とも前提。

上記価値観が醸成される以前の問題である弊社としては、研修導入までの経緯とか上層部の説得とか如何にしてそうした価値観が醸成されたかとか、*2そういう部分も知りたかったのですが、登壇3社をはじめ出展企業はとうにその先を行っているようでした。各種マイノリティについて名前を付けて可視化させるという時期(=その言葉が要らなくなるまでの過渡期)にありながら『二項対立を越える』なんて話まで出てきまして。私個人としてはここで出る取り組みが特段目新しいものではありませんでしたが、私が置かれた環境基準で考えるとあまりに進み過ぎていて、その価値観の格差に何かとてつもなく遠い世界の話を聴いているようにも思えました。

 

総じて、働き方や転職について考えを巡らせる材料は沢山手に入りましたが、私にとってはすぐに社内に持ち帰れるものは少なかったように感じたフォーラムでした。全体を受けてのもう少し掘り下げた感想や弊社との比較で考えたこともあるにはあるのですが、それは日を改めて。もう遅いし。

今日はいつもの「職セク」の面々やメディアで顔を見かける活動家諸氏、twitter上での"戦友"など、色々な方ともお会いしたり見かけたり話したり。それぞれ何か得る者があったのなら良いなぁと思う夜更けです。

*1:そう言えば資料コーナーに唯一資料を置いていなかった。

*2:できればこの辺の話も知りたい、と一応アンケートに書いておきました。出展・登壇企業はともかくとして、参加者は勤め人であっても皆が皆大手ばかりではないでしょうし。