ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

「安全な環境とは?犯罪機会論で考える--ゾーン・ディフェンスで防犯を」

今夜は、こういった題のセミナーを視聴しておりました。「女性スペースを守る会」が主催し、テレビ番組への出演も多い立正大学文学部社会学科の小宮信夫教授を招いての防犯に関する講演。女スぺ会の弁護士をはじめ、協力団体の代表クラスや研究者、今回のテーマに関心の深い若手政治家まで錚々たる顔ぶれが揃い、90名近くの参加だったようです。

 

小宮教授の方からは、前半は通り魔や強姦の事件、後半はトイレの設計といった視点で日本と"海外"との防犯意識・ハード面の設計の違いを述べるといった形で講演が進められました。その後、協力団体代表の司会により質疑応答があり合計2時間をたっぷり使っていた格好です。

日本では「犯罪機会論」が根付いていないというのが小宮教授の主たる主張。フェンスの有無と動線の分散に代表される防犯上重要な施設設計がなされていない……と。確かに、不特定多数の人が利用する場所(というかほぼトイレの話)において、動線を完全に分けておくことは「怪しげ目的」の犯罪を未然に防ぐ為に大事なことだと思います。『(犯罪が)起きてからでは遅い』『(犯罪の)暗数が*1多い』『防犯は警察の仕事と言っているのは日本だけ』といった小宮教授の発言の通り、そもそも不審者の侵入を許さないような環境構築は必要でしょう。こうした主張の中で『*2海外のデフォルト』として、トイレの種類が男女とそれぞれの多目的の4つであるとも述べられていましたが……。

 

【悲報】ノンバイナリワイ、詰む

 

防犯に有用な増設や改築はあっても、誰でも使えるトイレは残していただきたいかな。身体等の各種障害で多目的トイレが必要な方々にしたって、全員が「同性」介助とはいかないでしょうに。勿論、性犯罪の抑止力として男女別を徹底すべきというのはわかるんだけど。こう書くと、質疑の中で『男児を襲うなどの例外をすぐに挙げる人がいるが、そうではなく犯罪機会論では確率論の話をしている』と小宮教授が話していたところの『例外』に過ぎないと一蹴されてしまうのだろうか。

ともかく、男女の別が無いからこそ使いやすいトイレがあると感じている人もいるということ。それだけは頭の片隅に入れておいて、勝手に居ないことにしないでほしいものです。

*1:あれ、観測されないから暗数なのであって、多いのではとの想像はできても実際に多寡は数えられないんじゃ……?

*2:洋の東西を関係無くどんな政策の下でトイレが設計されているかも触れないままに海外と一緒くたにするのも割と雑なような……。紹介していた内、インドのトイレは男女別でない車椅子のピクトグラムが見えたし。