ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

5周年

気が付いたら拙ブログ開設&更新から5年が経っておりました。何ともまぁ、進展の無かった5年間だったと思います。自身のアイデンティティや備わった身体への嫌悪感に対して、このままでは死ねないと思い医療に繋がれたは良いものの、本当にそれだけ。装いに関しては初心者故の数々の過ちの末に現在のものに落ち着きましたが、結果的には男性らしさは薄れても女性らしさも薄くなってしまいました。そうなると元々の身体的特徴である滲み出る男性らしさが前面に出てくるのは自明の理。果たしてこれで治療前から何か変わった所があるかと問われると、はっきりこうだと答えられる気はしません。

ただその一方で、往時の写真と今では(型落ちハイエンドのスマートフォンで別人認定される程度には)何かが変わっているらしいのもまた事実のようで。自分を一番わかっていないのは自分、とでも言いたいのでしょうか。ここで「いや私は自分自身のことなど全てわかりきっている!」と断言できる程の傲慢さは流石に無く。畢竟、外から見れば私以外の数多の人々と同じ「中年男性」というカテゴリに入れられるべき存在なのは今も昔も変わらないかと。誰が言ったか『いつも心にノンパスを』とは至言だとつくづく思います。

 

分針は進めど時針は進まず、とかつての私は書きました。ですが今思うに、進んでいたと思っていたのは秒針であり、分針すら動いていないように感じております。口先だけの断念ではない、「落とし所」というやつをいい加減に定めるのが良さそうですね。5年なんぞ、比較は無意味とわかっていても長過ぎるので。同じような当事者の方々はどんどんと進む中、自分は5年間その場で足踏みしかしていなかった。その差が如実に表れているのが今です。

斯くも無様なありさまは、25年来の行動原理である「もう二度と傷付きたくない」が強く働いたからこそでしょう。それを今後も回避し続けたいと私が望むのなら、抜け出せないぬるま湯に根を下ろすのも一つの選択肢かもしれません。もう若くはないのだから。