ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

ジェンクリ #57

シリーズ連載の途中ですが、昨日はジェンクリの定期通院でした。運悪く大雨に降られてしまい、傘をさしていてもずぶ濡れになりながら到着。もう既に帰りたい。え、実家が近い?知るか。

 

まずは血液検査結果のFBから。赤血球数やヘモグロビン値はやや低めでしたが、女性基準値に照らし合わせれば標準的。検査日は午前中に塗り薬を使っていたせいもあると思いますが、テストステロン値は過去最低となっていました。他は総コレステロールや尿酸が少し低めだったくらいで、高くて問題になる値は特に無し。ただしDダイマーが今まで0.5未満をキープしていたところが0.5ジャストとなってしまいました……。これよりも上がるとまずいので、水分や食事など今まで以上に気を付けていく必要がありますね。

何故かというと、睾丸を摘出したから。そのことも主治医に報告しました。ホルモン投与は10mg(1A)に減らして様子を見るということで合意。手術の経過も簡潔に伝えましたが、それ以上に術後の心境の変化が大きかったこともまた話しました。振り返ると、ホルモン投与こそしていてもパートタイムな上にどこにもメスを入れていなかった術前。自分の身体を、自分を、認められなかった面は大きいと思います。それは外見的ハンデも含めてのことですが、「*1結局は男」との観念に支配されて自暴自棄になり且つそれを攻撃的な形で出していた自分がいました(除睾哀史 #0にも詳述)。

実はこのことは何度も主治医に打ち明けようとしましたが、結局他の話すべきトピックが多かったことや自身の政治思想を主治医に非難されるのではとの恐れからずっと言えずにきました。それを今回の診察で言えたのは、やはり摘出を経て前より少しだけ自分の身体を許せるようになったからでしょうか。まだ"本丸"が残っているとはいえ100%男性ではなくなったということ。もう既にだいぶ男性化してしまった身体ではありますが、これ以上の更なる男性化を食い止められたということ。物理的にも精神的にも、私にとっては一区切りになったのだと感じています。だから、卑屈になることや「私は喜んではいけない」と思うことを少しずつでも辞めていこうと今の私は思えているのかも知れませんね。そして主治医がこれらのことを受け止めてくださったのもありがたかった。こういう深い所の話はなかなかできていなかったのでなおのこと。

 

主治医から忠告もありましたが、これからはホルモン値の管理が今まで以上に大変になります。職場の限られた人から少しずつ打ち明けられればという思いもあって、心身共に困難が迫ってくることでしょう。そうした時のことも考えると、定期通院の場と時間を無駄にしてはならないなという気持ちが強くなります。自分の身体や心のことについて、相談できる繋がり先があること。欠かしてはならないと思うのです。

次回の通院は予約の都合で1ヶ月後。父方祖母の法要の後なのですが……なるべく短時間の滞在でやり過ごしたい。というか参列しなくない。実家には9月頭時点でワクチン未接種という"設定"なので、それを理由に向こうから『今回は遠慮してくれ』とは……言わないよねやっぱり。「家族する」ことに命をかけている人達だもの。最初の山場かな。

*1:生物学的には今も事実としてありますが。