ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

インタビュー

先週土曜日のジェンクリ前の用事の話。

 

実は、*1とある短大のサークルからインタビューを受けていました。「LBGTQ当事者のライフヒストリーと生活上の困難」ってな感じか。何でそんなことになったかというと、*2高校の後輩が当該サークルに所属していまして。

どうやら学内では新興サークルらしく、メンバー各人のルーツや経験に根差した思いから社会問題を考える…と随分な大風呂敷で当初は立ち上がった模様。その中でもメンバー数名に性に関わる悩みを抱えていた者がいたことや、身近で近年可視化されつつある問題であったことからLGBTQにスポットが。当事者の声を聴こうという段階になり、後輩を通じて私に白羽の矢が立った次第(後輩も私の外見やSNSを通じて私が”そう”であることを勘付いていましたが、本人のルーツやご家族のお仕事の関係で嫌悪感は無かったよう)。

肝心の活動目的は、短大のある市でのパートナーシップ制度導入を市役所に請願すること。これまた大きく出たなと思いましたが、公を動かす気で活動されているという本気度に安心しました。

 

さてこの私、学生時代に論文の為にインタビュアーをやったことは何度もありますが、インタビュイーになるのは実は初めて。緊張の中、当日を迎えました。相手は後輩とサークル長さんの2名。事前に私からはAceとトランスのことしか話せない旨を伝えていましたが、他のセクシュアリティの当事者にもインタビューを行っているようです。

限られた時間ではありましたが、性別違和や性的指向に悩んだエピソードや移行を決意した前後の周囲の反応、社会に求めること等、自分に話せる範囲ではありますが話させて頂きました。私の都合で巻かせてしまった所もあったので申し訳無い。半構造化面接って人によっては話が広がって時間かかるのよね…って、それをわかっていて当の自分がやらかした訳だけど。

移行過程を年に数回とは言え見られてきた相手に面と向かって性違和のエピソードを話すのは内心ドキドキでしたが、少しでも身近な当事者の生の声を届けられたのであれば嬉しいです。調査と請願の結果、良い報せが聞けますように。

 

司馬遼太郎じゃないけれど以下余談。インタビュアー側は今回、大学のサークルという肩書きで以て私にコンタクトを取ってきた訳だけれど、 それが使える期間はとても貴重。「○○大学△△学部の〜」「□□に関するサークルの〜」というだけである程度の信用が担保されるから。

同じことを学卒後で、且つ当該領域と直接関係無い仕事をしている人間がやろうとするとこうはいかない。*3何の後ろ盾も信用も示せない「ただの××氏」…やりにくさは想像できましょう。

だから彼女達には是非とも、その肩書きを存分に活かして活動を進めていってほしいと思います。一つの学問を修め一度はそれに関わる仕事に就きながらも挫折し、かつての専門とは無関係の仕事をしている身としては、大学生という時期を有効に使えなかった後悔が強くてね…。当時の専攻の他にも興味のある分野が出てきてはいるけれど、勉学に関してはいまだ挫折を克服できてはいないなぁ。「やってはみたが結局また向かないことで無駄になるのでは」という恐怖は根深く。ここがガチで私の課題。

*1:私の母校の系列校だったりする。

*2:干支一回り離れていますが、吹奏楽部の演奏会に私が賛助で出入りしている関係で繋がりました。

*3:本人の人柄とか社会的に見えない実績とかは関係無く、何処の馬の骨かわからぬ輩と見なされてしまうということ。