ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

亡祖母 告別式

本日、亡祖母の葬儀に関する一連が終わりました。永きにわたり私の実家で闘病をしてきた祖母も、故郷の小金井市で肉体の枷から先程解き放たれました。戒名に、亡き父方祖父母の*1法名の字が一つずつ入っていたのは偶然としては出来過ぎたご縁。自由にならない身体でできることは限られながらも、その中でもできる限りの望みを叶えて逝けたのは幸運だったのでしょう。

 

告別式は滞りなく進み、懸案の待機時間は生前の祖母の話で何とか間を繋ぐことができました。父方の叔父・叔母も参列してくれましたが、『芸術家みたいな格好』と言われた瞬間は焦りました…。それ以上何も無かったのは叔母という距離感故か、男装がうまくいっていたのか。あ、散会後に実母から『それ毎日後ろピンで留めて出勤してるの?』って言われたな…。私よりだいぶ背は低いし悲しみと喪主としての役割から私の後ろ姿なんて見る余裕無いと思っていたんだが、こういう所は本当に目ざとい。

 

あと、従兄弟の1人が(私より4つ上)未婚という話が私に飛び火した時は肩身が狭かったなぁ。母方の大叔父まで乗っかってくる始末。『家に寄り付かないってことは絶対(彼女が)いると思うんだけど』とは叔母の談。それは有り得ない訳ですが、寄り付かないという言葉のチョイスは嬉しかった。その通り、故あって寄り付かんのだよ。実母への牽制になっていたかは知らんが。

 

結局、私の風貌について原家族には大幅なイメチェンという認識で通せた感触です。ただ、セクシュアリティに関しては結局先送りになってしまいました。冠婚葬祭はこれで終わりではなく、恐らくこれから

  • 祖母の一周忌、三回忌、以下続
  • 伯母(実父より10歳上)の葬儀
  • 実父、実母の葬儀とそれに伴う法要

は最低でも控えているわけで。

縁を切るとか距離を取るとかの話にも至らず、その場を乗り切るだけでなぁなぁになってしまったのはいかにも私らしいと言うべきか…。”脱出”が成功すれば今以上に風貌も変わるというのに。

 

今回の祖母の件で原家族としては私に葬儀手配のイロハを叩き込みたかったらしく、それを逃してしまったのはやや後悔。原家族が死ぬまでに縁が切れていたら関係は無くなるけれど…。

 

とにかく、ひとまずは葬儀とそれに関わる家族親族との顔合わせを男装で乗り切ったということで自分をいたわってやりますか。休みはもう残り実質2日だけど。先送りになった原家族カムの問題とか葬儀の場におけるジェンダー問題とかと考えたいけど、それは明日の自分に回そう。

 

祖母よ、安らかに。その生き様から学んだことを、孫はこれからの人生で存分に活かしていきたい所存です。

*1:父方は浄土真宗なので戒名ではなく法名という。