ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

QAシネマ『空と、木の実と。』

昨夜は、いつも「職セク」でお世話になっているグループ「Queer&Ally」主催の映画上映会に参加してきました。

 

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こちらの『空と、木の実と。』は、日本国内最年少で性別適合手術を受け女性から男性となった小林空雅(タカマサ)さんの3000日間を追ったドキュメンタリー映画。小林さんの学生時代から現在に至るまでのストーリーを、国内最年長で性別適合手術を受けた八代みゆきさんをはじめ様々なトランスジェンダー当事者との出会いや語りを織り交ぜつつ辿る90分の作品。

詳しくはネタバレになるので割愛しますが、小林さんが性別移行を進める過程はとても周囲に恵まれたものであったように思います。家族、学友、医療機関、職場…だからこそトントン拍子に事が運び、20歳になってすぐのSRSができたのでしょう。その分、他の当事者の語りから見えてくる『*1現実』との対比が突き刺さる。そして私が対峙するのもこの『現実』であることを痛感しました。

 

率直に、羨ましい。「もし自分がこんな学生時代を送れていたら…」と思うと目頭が熱くなる場面もちらほら。笑顔の曇りを見抜いてくれる存在が、奥底にある悩みを…最初は未分化だったであろう苦しみを受け止めてくれる存在が私の周りに居ればどんなにか…。

マイナスをゼロにする。私は未だマイナスのただ中だけど、この1年で-100から-75くらいにはなれているような気がしていて。ゼロの先はまだわからないけれど、自分を認められる自分になれていたら良いな。

 

上映終了後は、「職セク」監修の小田社労士によるミニ講座も。トランスジェンダーが働くということには、自分も一当事者として何かしら世の中に投げかけたい所。先日の動画では短過ぎるので。KDDIの決断は結構重要な問題提起をしたように思いますね。本来は仕事の納期の関係で行けなかったはずのこの上映会。二重三重に諸々がうまく転んでくれたおかげで奇跡的にドタ参できました。病み上がりには少し無茶だったかも知れませんが、本当に良かった。今日も今日でまた良い学びがあったし、明日のB面も乗り切れそうだ。

*1:過去記事で述べている原家族とのあれこれを見て頂ければ想像がつくかと。