昨夜、元上司と約2年振りにお会いしてきました。以前と変わらぬ調子ながら口元には髭を蓄えており、*1何かがあったことを思わせます。
まずは私の近況報告から。名刺を渡し、現職について色々と説明する。(不満はありますが)仕事を続けていることと前職比で規模の大きな企業であることは大切なことだとの評価。元上司がモットーとしている『楽しんでやれているか』についてはイエスとは言えませんでしたが、趣味も続いているのでまぁよし。
さて、私側の懸案だった外見の件。結論から言うと、やっぱり私は男にしか見えないのだなぁと痛感しました。髪は仕事時のままワイシャツ内に収納しスーツ姿。開口一番『いかす髪型になったじゃないですか』『顔色良くなった?』と言われ、それっきり。顔色については恐らく脱毛の影響でしょうが、その他に何も疑われることすら無く、お店に向かう道中では風俗店の呼び込みに声を掛けられる。そんな調子だったので、近況報告時にセクシュアリティのことを話す気力が無くなってしまいました。
ロン毛でも男性にしか見えない、スーツ姿がちぐはぐに映らない時点で未来には絶望ばかり。髪の伸びっぷりや伸ばし方までは恐らく向こうは気付いていなかったと思われます。久し振りに会う人でこうなのだから、現職でも恐らく隠し通せてはいるのでしょうね。良くも悪くも。
お店に入り、元上司のターン。なんと、元上司も今年度いっぱいで退職をするそうです。そこに至るまでの話がもう、事実は小説より奇なりというか…言ってしまえば真っ黒。前職は経営者一家の息子のオモチャになっていたよう。
『あなたはあそこ(2018年3月)で辞められてラッキーだったよ』と語る元上司。年度が明けてからは経営者一家の口出しが輪をかけて増えたらしい。好き嫌い人事による期中の配置転換は序の口。理由無き減給、取引先の大幅カット、電話を取ることの禁止、対外交渉の禁止、予算を使っての経営者一家の度重なる海外出張とグループ会社巡回、ベテラン職員を役員へ転籍命令することによる後の退職金削減、*2『訴訟上等』と独断で商材を変更する経営者一家の息子、経営者一家の中で勤務実態の無い者にも給与と*3家賃を支払、現場での恫喝…。これでもまだ一部。話を聴き終え、自分がラッキーだったことを噛み締めながら元上司に対して「よくぞご無事で…」との言葉が自然とこぼれ出ました。
40人にも満たないグループ全体で、どうやら今年度に14人辞めるとのこと。末端の職員やエンドユーザを無視しているとしか思えませんが、畳み支度だと思えば合点がいきます。経営者一家には本体企業も別にあるし例の息子氏が末子なのもあり、『親父、悪ぃ!潰しちった!でも許して!』で済ませようとしているのでは…とは元上司の談。
残っているのは"犬"か心を殺した人か上に気に入られた人だけだそうで。世話になった先輩が"犬"として生きる道を選んだりお調子者の担当課長が無口になってしまったりしたとの話を聴くとまぁショックではあります。恩義のある方も多数いましたが、その殆どは程なくして去るようです。
私も今の環境でもがきながら生きていくほかありません。元上司と同じで"犬"にはなれないタイプだと思っていますが、そこそこ規模のある組織だからわかることは現職に居る内に吸収しておきたいところです。
元上司も音楽を続けているらしく、お互いの本番予定を伝えて昨夜は別れました。私の方の秘めた話こそできませんでしたが、それはまた会う時でも良いのかもしれませんね。
うん、男だ。