ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

逆埋没

本日は久し振りに例のパートさんシリーズ。業務の中で関わりが多いから私も必然的に油を売ってしまうのだけど。

午前中の前半は年度末の書類整理で力仕事をしておりまして、それが終わった後にパートさんのいる作業室へ。重い物を持ち運びしていたせいで、流石の私もカーディガンを脱いでおりました。ちょいと長くなりますがお付き合いをば。

 

パ:あれ、セーター脱皮?

じ:流石に作業後なので。でも当分脱皮しませんよまだ外寒いですから。今だけです。

パ:なるほどね。にしてもほっそいなーお腹とか出てないしやっぱ若いと違うなー。

じ:でも下半身細くても…って感じです。上半身と下半身のバランスが逆なら。

パ:えー今でもすっごい整ってますよースタイルいいじゃん?

じ:いや意外とバランス悪いですよ自分。服も結構合わないんですよ。

パ:既製品が?

じ:はい。トップスは身幅で選ぶと肩がきついし。

パ:あー肩幅意外としっかりあるもんね。

じ:ボトムスはウエストで選ぶとお尻が余るし。

パ:ん…ん…?ウエストが細すぎるってこと?

じ:いや、ウエストはぴったりですけどお尻がぶかぶかで。結構大きめに作られてるもんですよ。

パ:へぇ…女の人だと聞くけど男の人もそういうもんなんだ。

じ:だからもうだぽっとした服ばっかりですよ、体格隠したいんで。

パ:えー(体格)出してよスタイルいいんだから!

じ:出したくないですよー肩とかほんっとコンプレックスで…。それがために体格出ない服選んでますから。

パ:そうなの!?まぁそんなに筋肉質な方じゃない…とは思うけど。

じ:そうですね…筋肉質…ではないかも知れませんけど。あまり言われはしないですね。

パ:運動とか今やってるんでしたっけ?

じ:いえ、今は特には。

パ:まぁそんな感じはする。

じ:だからもうなで肩にすっごい憧れてて。

パ:なで肩に!?えー男の人なら(肩幅)あってナンボじゃないんですか!?

じ:いや(苗字)的には完っ全アウトですね。

パ:えー!?なで肩の方がいいの!?なんか男の人だとなよっとした感じしません?

じ:寧ろそうなりたかったですね…学生時代も周りに細い人が多かったですし、自分自身もこんな大きくなることは望んでなかったんで。

パ:無いものねだりだよー。でも男の人でなで肩がいいって初めて聞いたなー。いるんだー。

 

…といった感じのやり取りを経て部屋を後にしたのですが。

うん、私ってやっぱりパートさんから「完全なるシス男性」に見られているわ。*1髪が長かろうがホルモンを入れていようが。言ってしまえば逆埋没。性別移行の過程でもばれないってことは、*2相手の目が節穴というよりは自身の外見や振る舞いが完全に男の範疇に入っているということなのかも知れません。「男の規格外」にすら入れてもらえていない気がする。これから本当に自分が移行を進めていけるのかと、暗い気持ちになってしまいました。

 

将来に希望を見出せずとも、身体への嫌悪感は止まず。自身のセクシュアリティを隠して就業するという点では波風が立たないのは悪いことではありませんが、このご時世に露程も疑われないのは「我が振り直せ」ということなのでしょうね。移行の過程で見た目からバレる人が大半なはずなんですが、そうではないということは。

*1:髪はずっとワイシャツの襟に収納して隠しているし、胸はシャツだけの時によく見れば膨らみがあるけれど胸筋との弁別がすぐできるとは思えない。

*2:パートさんは懐が広いとは言えジェンダーバイアスはそこそこお持ちのようなので、疑わないのかも知れないが。