ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

6つの質問について -前編-

さて、先日参加させて頂いた #おうちで交流会Aroの部0502 。そこで出ていた6つのトークテーマについて、ツイートでは一応回答しましたがそれだけでは不十分な所もあるので補足として本記事にて述べていこうかなと思います。

 

①気付いたきっかけは?

自分がアロマンティックであると気付いたきっかけについて。ツイートではこう書きました。

 友情や憧れはあってもどうしても「付き合いたい」とか「セックスしたい」といった気持ちが湧かず、大学時代の友人に茶化されつつ"同性愛疑惑"を持たれ、そうだとも思えず「恋愛 できない 性自認」等のワードで調べて自認するに至りました。

中学校の頃から周囲で『○○は××が好き』という類の話が増えてきました。表立って『付き合いたい』といった言葉こそあまり聞きませんでしたが、色恋の話にピンと来ず入っていけない感覚はなんとなくあったと思います。女性に対して抱いていた感情も、性別・男体への違和に由来した「自分がそうなりたい」 というもの。当時これをはっきりと言語化できてはおらず、でも恋愛としての好きとはどこか違うような感覚が頭の片隅にありました。「女性に抱く憧れのような感情」として恋愛感情と未分化だった身体変化への願望を区別できたのは、高校を出た後くらいだったように思います。

それでも、恋愛については「皆がそうしたいと感じるはずのもの」という義務感から特に高校時代はやってみようと考えていました。しかし私自身がいわゆる"非モテ"だったこともあってか、女性からのアプローチは皆無。自分からも前述の「何か違う」感覚があったのかいわゆるアプローチを仕掛けようという気にもならず。そもそもアプローチって何をどうやるんだ状態でしたしね。だから、恐らく自他共に認識は「モテない草食系男子」だったと思います。大学学部前半くらいまでは。ただ少し違うのは、奥手とは別の話として恋愛へのモチベーションが持てなかったことでしょうか。

 

で、大学に進学してからは男体への違和に由来した願望を恋愛とは別と捉えることができてきて。それでも、いわゆる"典型的MtF"のような生育歴を歩んで来ず容姿も著しく男性的だった自分はGIDではないという謎の確信があって。それ故に「恋愛に興味は無く性癖が歪んだ非モテ男子」と自身を捉えていましたね。ただ大所帯の部活動にも入っていて学科の男女比も「男:女=2;8」くらいだったので、部活の友人や原家族からは"浮いた話"が一向に無いことをずっと不審がられていました

そして学部生活も終盤。その頃はインターネットでゲイをネタにしたコンテンツが流行していたせいか、こんな私は友人から"ゲイ疑惑"を持たれることに。*1その場では笑いながら躱したり時に乗っかっておどけてみせたりしつつも、自分は本当にそうなのだろうかと暫くは思い悩む時期が続きました。男性と恋愛やその先をしたい訳じゃない。かと言って女性ともしたいとは思わない。皆がするはずのことができない、*2「女一人好きになれない」自分は欠陥品ではないかとの考えと共に学部生活を終えました。

 

さて修士課程時代。実習や研究の関係で僅かながらジェンダーに触れる必要性が出てきまして。また、音楽関係でゲイの方ともご一緒する機会があったり進学前に「放浪息子」のアニメが放映されていたりもしていて、必然的に自分の性別や恋愛に意識を向けざるを得なくなりました。で、いつものようにレポートや文献調査で大学図書館にこもっていた時、休憩がてら少しずつこの辺のことを調べるようになったんです。まだまだ調べ方が上手くはなく断片的な情報しか掴めませんでしたが、まずはゲイではないことはハッキリしました。じゃあ何だと思って「恋愛 できない」で調べても、草食系だとかモテテクの記事や掲示板の喪男スレがずらりと出るばかり。そこに確か「性自認」とか「ジェンダー」とかその類の言葉を加えて検索したのだと記憶しています。すると見つけた「アセクシュアル」の言葉。それが引っ掛かり更に深く調べていくと、まぁ自分に当てはまること!この時初めて「自分はおかしくないんだ!」と思えましたね。他にもいるんだ!とも。随分とホッとしたことを覚えています。

 

長く長くなってしまいましたが、これが私の気付いたきっかけ。実はロマンティックとセクシュアルの次元でより細かく分かれるのだ…ということを知るのはだいぶ先の話になりますが、ひとまずこんないきさつです。うわぁ、①しか書けていない。②以降はまた後日ということで。

*1:これも今から思うと無知故の失礼な振る舞いだったなぁと思います。

*2:これは当時私が使っていたそのままの言い回しですが、「男は女を抱いてこそ一人前」なホモソーシャル的価値観に囚われていたことが窺えますね。凄い荒っぽくて。この時の「女」って特定の誰かではなく概念だったと思います。