ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

ジェンクリ #34

今日は月末金曜日。にも関わらず仕事の後の時間帯に予約を入れてしまったので定時ダッシュチャレンジ。舞い込んできたイレギュラーが運良く早く解決できたおかげで、なんとか最速で退勤できました。

 

到着すると、平日とはいえやはり夕方。患者さんは多く私は一番最後でした。前回からの1ヶ月は割と色々あったので、診察室に入るなり主治医に状況報告。法事で実母に髪をいきなり触られ腹が立ったこと。そのせいで原家族への「大切度」が残念ながら減ってしまったこと。職場で例の保健師さんから髪を『隠さなくてもいいのに』と言われて嬉しさもありつつセクシュアリティについてバレてしまうのではないかと不安なこと……。珍しく(?)自分の中でも全然整理が付かないまま話してしまいました。

職場で誰かから不意に『もしかしてLGBT?』などと言われてバレてしまわないかは、最近本当に毎日考えています。"あからさま"には振る舞っていないつもりだし外見的にも限界があるのはわかっていますが、不安のあまりネガティブな脳内シミュレーションも止まらないのが現状。それに対して主治医は『バレるなんてことは無いんじゃないですかね』とあっさり。何で!?とは思っていると、『スカートでも穿いていかない限りそんなに気付かないと思いますよ。髪の長い人だな、くらいは思うかも知れませんけど』と主治医。

確かに服装は規定(という名の暗黙の了解)内。自分で制御しているせいもあるけど、外見ではまだ"それっぽく"見えないと暗に言われたのは地味にショック。わかっていても改めて言われるとね。でも「もしかして自分が日々トランスのことを考えたりLGBT関連の情報に触れたりしているせいで敏感になっているだけなんですかね……」とこぼすと、主治医かは『そうだと思いますよ。気にして自分から悩みを作っていくことも無いのでは』とのコメントが。周りから疑われるのも不安なのも当然のことだと思ってきましたが、まさかの悩みをわざわざ自ら作り出している可能性に言及されてしまいました。それはあるかも知れない……けれど、不安や疑心暗鬼が治まらない自分もいて。この辺りが他者視点とのズレでもあるのでしょう。

 

とは言え、「もしカミングアウトを最初にするならこの人」という方から髪のことに言及されると、やっぱり職場カムをどうするかは真剣に考えねばなりません。頭がごちゃごちゃなまま話していましたが、話す中で一つだけはっきりとした思いが出てきました。それは、バレるとかではなく「自分で決めたい」ということ。当たり前かも知れませんが、最近の私は「相手から疑われる→その流れで話す/さざるを得なくなる」というパターンばかりを考えてしまっていたことに気付きました。そうではなく、言うなら自分の意思・自分のタイミングで言いたい。自ら決めるということをこれまで全然してこなかった私が、診察の場ではあってもはっきりとそう言えたのは我ながら意外。

 

この決意、波風立てずが信条の私ですから恐らく幾度と無く揺れ動くことでしょう。それでも、こうしてはっきりした思いを持てた時の気持ちは、自分が自分を力強く支えられているようなこの気持ちは、絶対に忘れてはいけない。31歳最後のジェンクリで、そう強く思えたのです。