ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

ジェンクリ #41

年内のジェンクリも今日を入れてあと2回。朝昼の予定の都合で、久々に一番遅い枠での受診でした。この時間帯って、こんなに患者さん少なかったっけ……と思うレベルの疎です。あの賑わいこと密はもう戻らないんだろうなぁ。

 

診察室に入ると、珍しく主治医の方から職員健診はもうそろそろかと話を振ってきた。私は、美容室の予約が来週金曜日に迫って気が重いです……と話し始める。今年に限らず、1年以上掛けて伸ばす長さをバッサリ切る周期を毎年続ける訳なので。セキュリティ部門責任者にも『(髪を)出しとけばいいのに』と言われるなど立て続けに言及されながらも、賞与面談で部長から切れとは一度も言われない。正直に、職場の腹の内がわからないと主治医に今の思いを伝えました。裏で解雇するタイミングを窺っている可能性や自己都合退職に仕向けるのは造作も無いであろうことを話した時の主治医の顔は、何故か不思議そうでした。

結局は『私からはコメントはしかねますが』と歯に物が挟まった感じでこの話題は終了。『よくご自身で考えてお決めになって』という主治医が関与できる範囲での助言も、いまいち放置されたような感覚を覚える。「自分のことを自分で決めたい」と歳を重ねた際に言っていた人間がもうこれだ。滑稽なものよ。実際、断髪は命令でも何でもなくただの忖度なので、結び方で工夫などできないかは直前まで試行錯誤したい所です(このことも主治医には伝えた)。

 

そんな今日は実母の誕生日(私の年齢+1年の結婚記念日でもある)。連絡をしないで何か言われるのが嫌だったので、誕生日プレゼントは予め郵送していました。するとお礼の電話が掛かってきて、その中で年末年始の帰省の打診が。感染拡大を理由に断ろうとしても実母が何度も引き下がってきたこと、実母はクリニック勤務(医療事務)で且つ陽性者も先月出ているにも関わらずこの調子だったことには、主治医も呆れ気味。

何とか説き伏せて『お雑煮作っておきますから、気が向いたら来て下さい』までこぎつけておしまい……と思いたかったが、電話の最後に『もし必要ならおせち届けに行くから』などと実母がぬかしたので、安心できない年越しになりそうです。主治医の労いと思しき軟化した表情がありがたい。

 

思えば、私がここ最近落ち着いていなかったせいか、一方的に話し過ぎたかも知れない。それでかはわかりませんが、主治医が今までよりも表情で反応を返してきたように感じます。診察室を出る時のあの笑みをたたえた表情……次の診察は健診も終えた後。慈愛のようにも取れたそれは、この年末の私を案じてのことなのでしょうか。所詮、根性無しに大きな事は起こせないと自分でも思いますけどね。