ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

幼く見える

昨夜は、不思議な夢を見ました。

 

原家族から実家を建て替えと言われ向かったのは、昔よくサイクリングに行った隣町の公園。そこに隣接(というか敷地内?)した戸建が新しい実家でした。二世帯住宅と言われ、姿こそ見えませんでしたが祖母が存命の世界線だったのでしょうか。内装も一部は祖母が我が家と同居前に住んでいた家を彷彿とさせるものでした。

時間は急に夜。原家族と待ち合わせということで、実家(現実にある場所)から最寄り駅に向かう途中の料亭(或いは和食レストランの中にもっと高級なスペースがあるみたいな?)に足を運びました。現実にも場所は違いますがモデルとなった場所があります。駅へ行く途上ではないけれど実家からは同じくらいの距離で、祖母が生前好きな店でした。

店に入って席に案内されるのを待っていたら、何故か店のあちこちに女性ホルモン剤の処方に関する貼り紙がしてあるのが見える。服用者への注意だったか申告義務だったかは定かではない。少しすると、何故か私1人で4人用のテーブル席に通されすぐに相席をと言われる。やむを得ず承諾すると、後から来たのは出身中学の制服を着た2人の少女。どこか中1時のクラスメイト(運動部)に似ている。私が自虐的に実年齢を上にサバ読んで(オジサンムーブと自覚の上で)「こんな40(読みはしじゅう)近いおっさんと相席なんて嫌でしょ」と話しかけたら、その2人は驚いた様子である言葉を言った。

すると私は急に、自分から見て右奥の柱の陰にある窓際の席に移動することとなり、そこには2人の「戦友」……もとい同じトランス当事者の方が。1人は同い年、もう1人は10歳以上離れていて、どちらも実際にお会いしたことのある方でした。前の席で私が言われたことを話した後、歳上の方と禿げ談議。生え際を見せ合い、『40(よんじゅう)過ぎたら頭頂部が一気にきた』と言われ、気を引き締める私。話の流れで外見と実年齢の話になり、同い年の方からも先程の少女と同じ言葉を言われた。

 

幼く見える』と。

 

このように場面展開や台詞まで鮮明に思い出せる夢は珍しく、頭に刻み付けられたような気分で目覚めたので、何かしら意味があるだろうとずっと考えています。

確かに実年齢を考えると恋愛に限らず色々な人生経験が乏しい。在学中も学卒後も、趣味関係では色々活動しているようでいて関係性を深化させた相手は少なく内に閉じて過ごしていたと振り返ります。元々老け顔で今でもおじさん然とした非常に男性的な顔立ち、そして男性の中でも目立つ身長と肩幅は威圧感があります。それでもなお、自分で自覚している以上に世間知らずがオーラとして外に滲み出ているということなのかも知れません。内面は自分が相手から如何に触れられまいと努めても、振る舞いというか私を見た時点で勘付かれてしまうものなのだなと痛感します。ましてや関係性を深めた相手には。

流石にこの状態では、これから生きる中年期や老年期(あるのか?)を考えると危機感が募る。せめて歳相応のオーラを出したい。酸いも甘いも噛まずに避けているのにさもわかったような口を利いている内は無理なのでしょう。自身の思いを晒し、決定的な関係性の相手と対立し癒えぬ傷を抱えて初めて刻み付けられ、滲み出るようになるオーラなのかも知れない。例えば近い将来行うであろう原家族へのカミングアウトのような。核に刺激が届かないことにはどうにもならない、それは内部からの変容がもう望めないということなのだろうか。

 

夢の最後で私はトイレを探していて、おろした長髪にパーカーとスキニーという出で立ちで、忍び込むように店の奥の裏口近くにある割にはやたら広い男性用トイレの一番大きい個室に入った。そこで便器に目を遣った所で目が覚めた。メスを入れないままだといつまでもこうだと言われているかのように、何度も行こうとしては人がいて躊躇って引き返し……を繰り返したトイレだった。

仮面を被った生活が手詰まりになったことを象徴するような、自分の核にメスを入れる必要性を暗示するような。

 

そんな、不思議な夢を見ました。