ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

ジェンクリ #37

今日は仕事終わりのジェンクリでした。繁忙期で少しずつですが残業が続く中、当日まで無事に間に合うか不安が消えず。でも残業のおかげでちょうど納期とスタートの間のフェイズに入り余裕ができ、何とかセーフでした。

 

さて、こんなスケジュールでもジェンクリの予約を入れておいて良かったと思ったのは、今日職場であったある出来事が理由。

15時過ぎのこと。現場に出向くスタッフ達を束ねる別の課の課長さんが、私の担当案件に関する速報の連絡を直接伝えに来ました。そこで私の姿を見て何かに気付いたようで、こう仰りました。

『そのマークは何?』

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ジャケットに付けていた、レインボーカラーのバッジ。それを見られたとわかった私は咄嗟に誤魔化して「あ、いや別に個人的な趣味で付けていて」と返答。するとそのバッジにじっくり目をやり、こう返されたのです。

『大丈夫です、見てわかりました

そこでこの話題は終わり、後は業務連絡を受けてやり取り自体も終了。ですが、相手の反応からは十中八九私がLGBTQ当事者であるとバレてしまったと私は感じています。『見てわかりました』と仰った際に何かを察したような表情や声色だったこと、不自然な程ピシャリと話題を変えて業務連絡に入ったことが、私の判断の根拠です。来週、どんな顔をしてお会いすれば良いのか。ただ、このことが社内に拡散等されることは今の所無いだろうとの思いも同時にあります。

  

この課長さんは弊社で唯一の女性管理職。仕事上の絡みも多く、弊社でのこうした立場や既存の条件に囚われることを良しとしない言動から、有事の際に信頼できると感じている方の一人ではありました。この時は、周りの席にも人がいる中で私も触れられたくない態度を出していたのでしょう。恐らくそれも察知なさった上で、不用意に触れずに済まして下さったのだと思います。

次に顔を合わせる際の気まずさを吐露する私に対し主治医は『まぁ職場は仕事する所なので普通にしていればいいんじゃないでしょうか』と至ってドライ。『何が"わかった"のかもこれだけじゃわかりませんし』とも。言われてみれば、そりゃそうだ!『アライと思ったのかも知れませんし』その可能性もゼロではないですよね。私の単なる自意識過剰という線も無きにしもあらずだ。それにすら気付けずにいるなんて。センシティブなことではあるが、自分の半径1mしか目に入っていないようではいけない。

 

話している中でまた気付いたのですが、職場で信用できそうな人が見つかって、髪のことやレインボーのことにも触れられて、少しずつ歯車が動く状況下で私は何に悩んでいるのかが見えてきました。それは「どうカミングアウトの根回しをしたら良いか、その先行きが見えず迷っている」ということ。扱いの変化や各部署・上司への伝達等、一度話すことで踏み出す下り坂で、戻れないボールがどう転がっていくのか。否定・退職勧奨⇔受容・在職トランスまで振れ幅が広過ぎて怖いのです。

業務内容の面からなるべくなら働き続けたいと思ってはいるので、慎重な移行をというのが主治医と私とのコンセンサス。何に悩むか見えないよりは悩んでいても像がくっきりしている方が、同じ悩みや迷いでもマシ。そう自分に言い聞かせて、何も無かったかのように来週も顔を合わせてみましょうか。

 

……でも、「どうせうちの人達はわからないから」と大人をナメてバッジを付けていたのは反省です。弾は思わぬ所から来る。来週は外して出勤しようかしら。