ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

ミックスバー

去る土曜日の深夜のこと、生涯二度目の「バー」訪店を果たしました。現在は休止中の勉強会「職セク」にて知り合った"戦友"さんよりお誘いを受けまして、社会勉強も兼ねて行きつけのミックスバーへ同行させて貰うことになった次第。性的マイノリティと酒類提供飲食店は切っても切れない関係にありますが、そこには無縁だった私。「飲めない」というのが最大の理由でしたが、『お客さんやスタッフですら飲まない人もいる』との言葉に背中を押されました。

 

場所は私の住まいの隣駅。毎日通るのに、いや通るからこそ行かないエリアにはとことん立ち入らなかったことを痛感。客引きや堅気っぽくない人の多さにビクビクしながら飲み屋街を歩く。中学の校則にあった『盛り場には行かないようにする』を律儀に守って、ゲームセンターですら初めて入ったのが大学卒業後の私には強めの刺激でした。

開店して間も無い時間帯に入店。暫くお客は"戦友"さんと私の2人だけ。トロピカルなカクテルをチビチビと舌で転がしつつ、最初はスタッフさんも含めてセクシュアリティ絡みの話を中心に。A面の姿で初対面をしたスタッフさんにとっては、私がメンズスーツで働いていることは驚きだったようで、私の方がびっくり。髪を隠していることも、(前髪の長さ込みで)バレているだろうと言われてしまった。初対面の人からの反応や意見は、既知の間柄やTwitterのいわゆる界隈のような気遣いも(恐らく)少なく、その点からも客観に寄ったもののはず。私にとって新鮮に感じたそれを、いっときの思い出として大切に頭の中に留めておかねばなりませんね。……というか、え、何……私ってそんなに隠せていなかったわけ……?

 

"戦友"さんからも『勿体無いから(髪を)切らない方が良いと思う』と追い打ちが。3年弱働いてきた中で一度も直接『切れ』と言われていないのなら"そういう人"として黙認されているのでは、というのがその根拠。確かにその可能性はゼロではないんですよね……。だからと言って、会社組織なんてものを手放しで信用する訳にもいかない。

移行を進められたとしたら、私としてはいきなり「T」であるとカミングアウトするのではなく、

  1. 「長髪の男性」
  2. 「髪を外に出す」
  3. 「2023年度末までに少なくとも総務にカムし氏名の読み方変更」

という流れを辿りたかった。一足飛びに行こうとし過ぎない方が良い、とのアドバイスもごもっともですし私もその気でいましたが、実行せずに終わってしまう可能性もあるのでなんとも。

 

続けて2杯目もソフトドリンクではなくラムソーダを注文。他のお客さんも続々入ってきて、換気をしつつ賑わってきた店内。ここでいきなり他のお客さんに絡みに行く勇気は今の私にはまだ無かったなぁ……。スタッフさんとお客さんとがお互いに慣れ親しんだような会話が飛び交っており、体験したことの無い雰囲気。終電が迫っていたので、日付変更少し前に退店しました。

普段の生活の中に「飲みに行く」という選択肢が皆無なので、貰った意見も含めてとても新鮮な体験でした。このお店、年末にカウントダウンをやるそうで、もしかしたら帰省しない理由にできるかも……っていうのは邪な考え方かな。まだ一見さんなので、素直に他の理由を考えましょうか。というか、そもそも"戻る"のなら行く理由も無くなってしまうのか。仕方無いね。

 

それにしても、採血が終わったからって肝臓を酷使してしまったことを反省。飲酒なんて何ヶ月振りよ……。また少しずつ節制生活へ。