ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

前夜

美容室の予約はいよいよ明日。

 

  1. ミディアムのままにしたら来週の健康診断で社内にバレる。
  2. 中途半端なボブにしたら面長にミスマッチで怪しいおじさんになる。
  3. 刈り上げにしたら最初は驚かれても男らしいと称賛を貰える。

  

その結果、どうなるか。

  1. 退職勧奨のち職場を追われ実家に強制送還。
  2. 似合わない上に曖昧な状態に耐えかねてまたすぐ髪を切る。
  3. クビを回避でき原家族(特に実母)に喜んでもらえる。

 

極端かなぁ。逆にも捉えてみると。

  1. 否定されなければカミングアウトとフルタイム生活への下地となる。
  2. 自分に似合うスタイルを改めて模索できる。
  3. 男らしいとの評価は今は正直あまり嬉しくない。

 

将来も同じ捉え方で考えてみようか。

  1. 長髪をオープンにしての就労をしながら安心してタイミングを窺える。
  2. あともう1年はこれまでのような猶予期間として過ごせる。
  3. 長男の役割は全うできるが家督相続や見合い等の今は意に沿わない出来事が増える。

 

1は基本的にハイリスク。自分を出して傷付くか、傷付く前に飲み込むか。少なくとも20年以上、どれ程「もう傷付きたくない」ありきで生きてきたと思っているのか。2の曖昧さはそう長く保たなそう。ホルモン治療を中止しても元々が男性的だし、男性ホルモンの復活までは1ヶ月もない。3のように男の役割を引き受けることは、今は不本意に思えても続けていけば心が馴染んでいくものだ。原家族から逃れたい理由にはセクシュアリティ以外の問題もあるが、役割に生きることは本当に「自分の人生ではない」のだろうか。幸せではなくても平穏とは言えまいか。

 

刻限まで、あと僅か。