ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

一人暮らしから6年

早いですよね。年齢を考えると歴としては短い方ですが、たかが6年されど6年。何とかやれております。

 

実家時代。一人暮らしは無理だと、何百万円かかると思っているのと実母は言いました。家を出る際には業者を使わず両親の車で行き来をしたし、大物家具の幾つかは買い与えられたのでそこまでの出費はしていませんでしたが、それでも契約は大きな額。ですが、6桁で済みましたけどね。5月にした新居への引っ越しも、今まで実家から与えられたものを少しずつ処分しながら新しい家具を買い足していったのでかなり出費は嵩みました。手持ちのどの音楽機材よりも高くついてしまいましたが、それでも6桁に収まっていますよ。何なんでしょうね、実際より遥かに費用がかかると思わせて。『家族だからずっといっしょ』に居たかった/痛かったのか、短大を出て早くに寿退社をしたのもあり単純に今の相場に疎かったのか。当時、福祉の現場で単身世帯を中心に担当していた私の目は誤魔化せませんでしたね。振り返って、やっぱり"外"の視点を仕入れることの大事さを痛感します。

秘密裏に引っ越しをしてひと月。何でも一人でやれると自分中心になり社会と断絶すると、家族と気持ちを通わせていないと実父は言いました。両親目線では、段々連絡が減っていき髪も伸ばしていった私が、一人暮らしをした/させたことで家族の絆を失いどんどん悪い方に変わっていってしまっていると思っているかも知れません。ですが、あると強く信じているところの家族の絆というのはそもそもあったのでしょうか。父母の間では円満だと思っていた家族の姿が、誰かの犠牲の上に成り立っていた可能性は無いでしょうか。親子間に秘密が無いことを是とする裏で、たとえ血が繋がっていても、いやだからこそ話せない秘密というものがあるのかも知れないという想像があったでしょうか。形式的に家族が水入らずで集うこと以上に、大事なことはたくさんあるはずです。形が整っていても、中身が整っていなければ意味は無い。いや中身も整っているじゃないか、というのが実は一面から見ただけに過ぎないこともある。目頭を熱くしながら執筆して、やっぱり"外"の考えを知ることの大事さを痛感します。

 

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夏至の今日、退勤直後に見上げた空。昨夜、実父にメールを送って21:00現在は着信も返信も無い。一つ大きな作業をやりきってはいるけれど、この空のように晴れやかな気持ちにはなれず。着信に怯えてガラケーの電源を切る始末です。実母より実父の方がまだ冷静な話し合いをする余地がある……経験則からそう判断し、僅かな期待も込めてあのメールを送った。でも、『どうやら私はお前を自由にさせ過ぎたようだ。私の元へ帰ってきておくれ』と何処ぞの探偵漫画の"あの方"よろしく言ってくる予感しかしなくて怖い。一人暮らしで、今回は親の手を一切借りずに引っ越しまでできて、それでも引き剥がされて強制送還になる未来しか見えない。それが今、とてつもなく怖いのです。

 

住民票の閲覧制限。これはDV防止法に基づくが故に精神的な苦痛だけでは許可されません。引っ越し前、警察に電話して洗いざらい事情を話した上でそう言い渡されました。しかも、両親が私を諭す言葉はとても世間的に望ましい。"常識"に合わせられない自分が嫌になりますが、あのメールは私の深い/不快気持ちの表明。独りよがりとの謗りを受けようとも、譲りたくないものくらいあります。

/弱い32、形式上は成人。これから日は短くなっていくけれど、心に日が差す時間は長くあってほしい。