ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

除睾哀史 #1 睾丸摘出当日

「睾丸摘出」としてナンバリングしていくつもりでしたが、手術経過を書いていくと長くなりそうですので、昨日の#0も含め改題して「除睾哀史」シリーズとします。今回は手術当日のことを書いていこうかと。

 

電車遅延にも負けず降り立ったのは、昔から勝手知ったる自由が丘。高校時代に毎週自転車で通っていた道をちょっとだけ路地に入り、今回お世話になる「自由が丘MCクリニック」様へ到着しました。


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やけにひっそりとした佇まいの建物の2階に上がり、受付へ。診察券と手術代の振込用紙を渡してから診察室に入り、執刀医でもある院長から最終説明を受けました。事前カウンセリングで大体の話は聴いているので、ダウンタイムの過ごし方が中心。睾丸は「筋」の所に切れ目を入れて取り出し、そこをつまみ上げてお団子のようにテープ(キネシオロジーテープだと思う)で固定するそう。排泄は気にせずできるらしいけど、どんなもんだか。手術の流れは知っていましたが緊張で落ち着かないので改めて確認。すると『寝ている間に終わっていますよ』とあっさり。麻酔が切れないか心配だったのですが、事例としても無いので大丈夫だろう……と。麻酔科医にそう言われてしまったら返す言葉もありません。信じて身体を預けましょう。

 

術前にトイレに行っておくよう指示があったので、特に催してはいないですが一応排泄。"無加工"のブツをまじまじと見るのは(見たくはない)これが最後。僅かな感慨と共に出すものを出したらすぐに手術室に呼ばれました。

……いやぁ、ほくろ除去で受診した美容外科とは比較にならない物々しさです。「手術」をするんだ、という実感が形として迫ってきますね。あの看護師さんから指示を受け、荷物を入れ下を全て脱ぎ手術用のスカートに穿き替える。その状態でベッドに横になりタオルを被せられ、胸には心電図、右手にはパルスオキシメーター、左腕には点滴、口には酸素マスクがそれぞれ着けられました。最初は輸液が入っていた点滴は鎮静剤に、そして院長が来てからは静脈麻酔に置き換わるとの説明を受け、心の中で身構える私。『お酒飲まないなら(麻酔が)よく効くと思いますよ。次に目が覚めたら終わってますから』という看護師さんの言葉を胸に、ゆっくりと深呼吸をしました。

深呼吸を始めて2分経つか経たないかくらいですかね。次に感じたのは、肛門に坐薬が入る感覚。そう言えば、術後に座薬を入れると言われていたっけ。そう、*1『次に目が覚めたら終わって』いました。と言っても、動けないまま意識は出たり入ったりと混濁。次第にはっきりしてきた所でベッドを起こされてから看護師さんに水を差し出され、一気に飲んだことは覚えています。辺りを見回すと、時計は術前から2時間後。手術とリカバリで概ね1時間ずつだったようですね。ふらつきが残る中でベッドから降りて着替えを済ませる……前に、創部を撮影。本当にお団子状に固定されていた……まるで下にもう1本生えているよう。溶ける糸なので*2抜糸はありませんが、少しの間は不自由しそう。着替え終わったらもういっちょ撮影。取り出した"2個"は、グレーの本体にくっつくような赤い管。血も付いていて「うわ、内臓だ……」という感想。『小さかった』のは萎縮していたということなんですかね。確かに治療前はぶら下がっていたものなぁ。持ち帰りはせず、処分して頂くことにしました。

 

受付に戻り、1週間分の鎮痛剤と抗生剤と頓服の坐薬と自分で貼る用のテープを受け取って、今度こそ終了。階段だったので看護師さんに1階まで見送られ、まだ少しふらつきを覚える中でクリニックを後にしました。静脈麻酔、意識は戻ってもどこかふらふらする感覚があるので不思議な感じ。

ともかく、まずは終わって安心しました。悪性高熱症でもなかったようだし。自由が丘MCクリニックの皆様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。当日の術後やダウンタイムの話は、また次回以降に。

 

ボール、取りました!

No pain, no gain.

*1:関東圏だと寝る麻酔で手術を受けられるのはここだけ。相場より高額でも選んで良かったと心の底から思いました。

*2:糸が残って気になるようであれば無料で除去はするとのこと。