ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

除睾哀史 #3 流血

9月16日正午。術後50時間を経過したところで、いざテーピングを剥がすことに。そうしたら、大変な事態になってしまいました……。

 

まずはキネシオロジーテープを取る所から。「タック」をしていた頃もこの部位に貼っていたことが何度もありますが、創部を守りながらだと剥がしにくい。10分近く悪戦苦闘しながらゆっくりゆっくりと。あらわになった創部はそんなに腫れていないように見えます。糸が見えますが、それよりもテープの粘着が残っているような。記録の為に写真を撮っていた時、それは起きました。

ポタッ、ポタッ……

え。

トトトッ……

何これ。

脚の間から落ちていく血、血、血。いや、いや、いや。怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い。

そりゃあ月のものすら欲しいと願ったよ。でもね、これは訳が違う。術後の創部から流血してんだ。このまま止まらなかったらどうする。鈴木信平さんという方が著書「男であれず、女になれない」にて、男性器の摘出手術を行った後に流血し搬送されたら動脈を損傷していたと発覚した事態を書いておられて、その印象が強烈に残っていた私は「まさか自分も……?」と一気に不安に。支給された滅菌テープを貼った上から慌ててティッシュを重ねて止血を試みますが、すぐにテープが赤く滲んでなかなか止まりません。創部を抑えながら、クリニックのアドレスにメールをして緊急連絡先にも電話。タクシーに乗ってクリニックへ急行しました。

 

到着したら改めて事情を説明。看護師さんに案内されて処置室に通されました。創部を見せたところ、傷自体は綺麗だそうな。血が垂れていく感覚はもう無くて、一応は止まっていたらしい。結果としては再圧迫。創部を軟膏とテープで処置した上から「袋」を引っ張られてまたもキネシオロジーテープがぐるぐると。痛いは痛いのだけれど、袋を引っ張る痛みは「タック」でさんざん経験済。一応は術後2日経っているからか、鋭い痛みでなかったのは救いでした。また更に*12日経った所でテーピングを外して、何かあったら連絡を下さいと指示を受けました。

私の創部の状態については看護師さん曰く、創部とその奥の*2管を止血した時に出ていた血が圧迫を外した時に溢れてきたか、或いは体質的に血が止まりきっていなかったかのどちらかのようです。両方なのでしょうが、後者の可能性が大きいと私は踏んでいます。傷が治りにくい体質は実母譲り。ほくろ除去程度じゃ問題にならなかったけれど、このレベルの手術だとやっぱり問題になってくるのね……。これは将来的にSRSをするに当たっても重要な情報。絶対に療養期間は長く取らねばなりません。『動脈(の損傷)だったらもっとドボドボと出て止まらない』そうで、命に別条は無いとわかっただけでも安心して緊張の糸が一気に切れました。創部も最初の圧迫を一旦は解いたためか午前中にあった痛みが和らぎ、随分と楽になりました。おかげでよく眠れたのが本当に嬉しい。

 

傍から見ればいきなり電話して押しかけて迷惑な患者だったかも知れませんが、そうであっても丁寧な処置をしてくださって感謝感謝です。私の場合、地理的にも恵まれていたから本当に助かった。名古屋だったらこうはいかなかっただろうな。

本日は一応仕事復帰の日でもあるので、その辺はまた次回。

*1:つまり土曜日。ジェンクリの日だから近くまで行くんですよね……。

*2:管は電気メスで焼いて止血をしています。