ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

インフルエンザ予防接種 2021

今年もこの季節がやってまいりました。仕事に余裕が無い週だったので、自社で受けられることの楽さを痛感。

 

さて今回も例によって問診票の性別欄はわざと未記入。それでも名前のフリガナは書きましたが、この行為だけでも自分の心に負担がかかっていると感じました。他人から名前を読まれるのは嫌だけど、その嫌なことを文字とは言え自らやっているわけで。削られますよ。フルネーム嫌い。職場にバレるから改名もできないし。

じわじわ削られる行為に対して心を殺して大人しく待って、次が私の番。するとあれまびっくり、シャッチョサン夫妻が入ってきたではありませんか!挨拶をしていたら看護師さんに『次の方どうぞー』と呼ばれる。シャッチョサンは『先どうぞ』と仰るが、弊社トップより先に予防接種なんぞ、後で周りから何を言われるかわからない。役員もお出迎えで来ていたしね。この時はシャッチョサンの正面に私がいて注射場所は横を向くようになっていたから、髪を見られるのを避けたかったのもある。

で、シャッチョサン夫妻が終わった後に私も呼ばれ、フルネームを読まれて忌避感を覚えつつも性別欄の未記入は昨年に引き続きスルーされて左腕への接種を終えました。やっぱりホルモン注射より鋭く痛い。自分では注射慣れしているつもりだったけれど、慣れなんて無いわこれ。

 

全て終わって執務室に戻ろうとしたら、またもやシャッチョサンとすれ違った!

私「お疲れ様です」

シャッチョサン『先程はありがとうね』

私「いえいえ」

と、数秒のやり取り。この人は最終面接にも顔を出さないしいつもあちこちを飛び回っているのだけれど、今日この時はだけは私を私(=予防接種の順番を譲ってくれた内勤の職員)として認識していた。私自身のヘマによるシャッチョサンへの失点は、無かったと思っている。そして驚くべきことに、シャッチョサンは私の外見や声に何も指摘してこなかった。あの場が慌ただしかったとは言え、私が髪を隠していたとは言え、男にしては高めの声だし見える範囲の髪も伸びてはいてシルエットは典型的なものではないし、流石に何か言われるだろうと思っていました。注射の痛みとは別の緊張を抱えていた。でも少なくとも今日に関してはお咎めが無かった。そこがとてもホッとしています。

いや、勿論じっくり見られたり話したりする機会ができれば指摘される可能性はあるのだけれど。私の見た目は一瞥するだけでも明らかに男達の中では浮くとわかっているから、弊社のトップがスルーしたという事実は今の自分の中で大きな収穫でしたね。"その時"が来たらどうなるかはわかりませんが、今はちょっとだけこの事実に縋らせてください。