ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

トランスマーチ2021

今日はトランスジェンダー追悼の日(Transgender day of remembrance)。日本で初めて開催されるデモ行進「トランスマーチ」は、どうやら400人以上の動員があったようです。

 

私も現地に到着し、主催者からのアナウンスが入るまでは参加するつもりでいましたが、諸注意を聴いて考えを改めた次第。理由としては、その際に呼ばれていた警備スタッフの多さ、また『カウンター(デモに対する抗議・非難)が来るという情報はありませんが、この中に入り込んでいる可能性があります』との言葉。これを聴いた私は自分には参加の*1資格が無いと判断し、隊列の中には入らず沿道の後ろからついて行きひそかに応援するという選択を取りました。私側の事情はどうあれ、差別発言に加担した以上はトランスヘイターと呼ばれる身。始まってからトラブルになるよりは良いと考えてのことです。

実際に歩き始めると、聞こえてくるシュプレヒコールの語気から窺える"切実さ"に、中に入らない選択が今の自分には正しかったと再確認。私自身もトランス当事者の一人ではある。けれど、普段は何処にもカミングアウトせず男性として"逆埋没"して生活していると(そして私はここで打ち止めなのだという事実を思うと)、やはり渦中にある他の方々と同じような切実さは私には持てないのです。「差別があろうがどうでもいい」「差別したくて主義主張を改める気が無い」というわけではなく、自分が経験していないことをさも経験したかのように偽って叫ぶ不誠実なことはできなかったという話です。ならアライの立場としてデモ隊の中で声をあげれば良かったのではという指摘もあるでしょうが、そもそも入らなかった理由は上述の通りにて。

行く前は2年半振りのデモ参加かと思っていたけれど、自分がまたその中に入ることは恐らく金輪際無いのだと思います。

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個人的な思いとしては、身体にしろ装いにしろ、縛られず隠さず否定されず日々望む形で生きたいですけどね。それを語れる段階に私はいないので。

*1:実際、『このマーチではあらゆる差別に反対してます。そのため、趣旨に合わない主張をされる方は参加をお断りする場合がございます。予めご了承ください。』と公式Twitterアカウントでも言及があります。