ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

大変だと思いますよ

職場内で漏れ聞こえてきた会話。もとい、耳をそばだてて聴いてしまった会話。

 

文脈はわかりませんが、同じ部署の方が2人でトランス女性に関する会話をしていました。『男性として』『女性として』云々、『身体と心が』云々。嫌でも"我々"のことだとわかります。自分の作業をしながら耳だけ会話の方向に向けていると、出てきたのがタイトルにある言葉です。

どうやら、医療機関にかかるに当たって身体と心にズレがあったり法的な身分が見た目と異なっていたら苦労するだろう……という趣旨の発言だったよう。この"想像力"のおかげで聴いていた私がどれ程の安心を得たかは、想像に難くないと思います。普段一緒に働いている人から排除的な発言が出なかった。それも、直接トランスに関わる話題で。一緒に話していた方もLGBTだけでなく(おぼろげながらではあるが)DSDsの存在も知っているようで、先の言葉にも共感を示していました。心の中でめっちゃ頷きながら話を最後まで聴いてしまいましたね。

 

ただ、ごくごく身近に「そういう人」がいる可能性には思い至っていなかった模様。普段から一緒に働いている私も実は、などとは流石に言えないし。就業もスーツな上に思いっきり男らしい外見で"説得力"の欠片も無いので、まぁ気付きませんわなそりゃ。反対の性別のように見える為には、素質は勿論のことながら「途中の段階」がある。そこはリアルでトランスだとわかって付き合い続けている知人がいる、もしくは当事者本人でもないとわからないことでしょうし。あと、私が"そう"だと気付かれたら困るので、そのまま私をトランスと結び付けないでいてくれたら良いです。勘付かれたら居られなくなる。

幾ら個々人が少なくとも否定的ではない態度をとっていても、組織としてはお荷物どころか爆弾にほかならないのは自分が一番よくわかっています。