ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

女子用スラックス

昨日で高校を卒業してから15年。なんとまぁトシを取ってしまったもので。当時思い描いていた人生とは全然違うものを過ごしていますが、命あることと音楽を続けられていることは望みが叶っていると言えるのかも知れません。

 

ふと思い立って高校のホームページを覗いてみると、制服に女子用スラックスを導入したとのプレスリリースが目に入ってきました。

社会情勢や生徒の利便性、安全性、ジェンダーフリーの観点から、今年度より制服の規定の一部を改変して、女子用のスラックスを導入しました。

とのこと。*1「女子用」かぁと思ったり、導入したばかりだとスラックスを穿いている女子生徒は"ワケアリ"と眼差されるだろうなと思ったりもしますが、いやはや時代は変わっていきますね。確かもう10年近く前にジャージの色も統一されていたんだっけか。多目的トイレの新設があるかどうかは知りませんが、私が現役の頃には考えられませんでした。恩師の話によると性的指向を公表している教員もいるそうで、今の現役生が学べている環境を心底羨ましく思います。

 

ただ、男性生まれの身としては、選択肢が未だ無いのが引っ掛かるところ。しかしこれも段階を踏んでということなのでしょう。身体男性が女性的な装いをすることへの風当たりは、その逆よりもずっとずっとずっとずっとずっと強い。学校という閉鎖的空間……いや、この年齢の生徒達にとっての"世界"が学校と家庭くらいで閉じがちであるという状況においては、下手に導入してしまうと却って当事者本人が傷付く結果になりかねない。だからこそ、『生徒の意見を取り入れ』て更に改革の余地を残していると思しき記載に期待をしたいです。私個人としては、すぐにスカートが無理でもそれこそワイドパンツ的なものはどうかなと思ってみる。

いずれにせよ、自身の在り方を自身にも他者にも環境にも歪められたり抑えられたりすること無く、皆が貴重な高校生活を楽しく過ごせれば良いなと、15年も前に卒業した「まだオジサン」は思います。振り返ると、制服がブレザーかつ良いデザインだったから良かったですよ。学ランを経験せずに学齢期を終われたのは幸いだったのかも。

*1:第二次性徴を経ての骨格差がある都合上、やむを得ないのは頭ではわかっている。