ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

病気

少し乗り遅れましたが。こうした発言には枚挙に暇がありませんね。発言を撤回する意思を示しても一度口に出した事実はもう戻らないのだということが、政界でも当然の認識として広まってほしいものです。軽率に撤回しすぎ。

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ただ、件の発言についてはわからなくもないんですよね私は。

『(LGBTQについて)病気といったら悪いが、県の施策では普通に戻していこうという取り組みがあまり見受けられないが元には戻らないのか』

私のこの身体が医療的ケアを必要としているのは事実。ICD-11でもその状態を以て疾患の枠に組み入れるのを辞めたわけなので、これだけでは私が病気と考える根拠にはならない。偏に、今の状態に至るまで自身がどう考えてきたかに基づくものです。

性器を筆頭に男性らしい身体が「生理的に無理」であり続けたこと。"普通"の男として"真っ当"な人生を送ることの想像がどうしてもできず、"普通"であろうと行動してもどこかに「何かわからないが息苦しい」感覚が付きまとっていたこと。このままの身体で老いて死んでいくことだけは絶対に耐えられないと確信したこと。その果てに医療の手を借りており、カウンセリングや去勢まで受けているのですから、私は私自身の性的マイノリティ性はある種の病気であると規定しています。"普通"に直せてそれで生きられるなら、そうしたいとも思いますね。

 

た!だ!「私が」自分自身について規定するのと、「外野が」当事者についてそう述べるのとでは違うでしょう。何故そう言われなければいけない?私が考えたことが無かったとでも?言ってしまえば余計なお世話なんですって。私自身の在り方を、人生を、他人であるあなたが○か×かでジャッジしないで頂きたい。こればっかりはね、いくら私が昨今の他称TRA的な人権運動に疑問を覚える立場ではあっても、異を唱えたいですよ。自分で「病気」と思っていても、あなた方に*1"ビョーキ"と言われる筋合いは無い。無いのです。

 

なお件の発言の前には自民党の県議からMtトランスジェンダー当事者が女性用トイレを使用する際の安全や防犯を巡る質問があったとのこと。某空飛ぶ弁護士や某樹木医が関わっている(た)あの団体からの「陳情書」が全国の議会に送られているそうですので、それに基づいた発言と考えられています。防犯対策についても別途検討は必要と思いますが、そこから個々人の在り方についてまで余計に話を広げるのは如何なものかと感じるばかりにて。

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*1:日本語ネイティブであれば、病気という言葉をカタカナ表記した際に込められるネガティブな意図は感覚的にわかると思います。