じゃ、済まされないことってあると思うんです。私が言えたことではないのは承知の上で。
先日、睾丸摘出手術を受けたと発信されている当事者の方を見かけました。一緒に投稿された写真は、診療明細書。周りからの労いの言葉も。しかし少し後に、『これは嘘』との投稿をご本人がなさっていた。確かに写真を見てみると、病理判断という言葉や別の部位と思しき名称が。手術ではあってもおそらくは皮膚科系。それに、睾丸摘出は保険診療ではない。なら皮膚科系の手術をしたと言えばいいのに、何故当事者にとっては重大な問題である睾丸摘出などと偽ったのだろう。投稿者さんの真意はわかりかねますが、ジョークにして良いことと悪いことがあると思います。言わせてもらうと、憤りが隠せない。
私事ですが、身体違和はありつつも恒久的な健康リスクを負うことを天秤にかけた、切実な手術のつもりだったんです。昨年に受けた時は。で、今はやって良かったと思っている。それをジョークにされると、馬鹿にされているようで良い気分はしませんね。見なきゃいいだけの話なんですが……。
そもそも、取った所で身体男性であるという事実が変わることは無いんですよ。哀しいし悔しいけれど。物理的に局部の容積がやや減るくらいだし、「↑」も「→」も依然としてできるわけで。"毒素"の生成を断てる恩恵は大きい。ただ、結局は個別の事情に合わせて「まずは」或いは「どうしても」と中間地点的に行うものであって、次に"本丸"を控えているという認識は忘れずに持っておきたいものです。"本丸"の有無について自分の中での折り合いはそれぞれあるにせよ、凶器を残している以上は「次がある」ものとして世間は認識するので。
