ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

新・職場とセクシュアリティ #15

もう1週間が過ぎようとしていますが、先週の木曜日はいつもの勉強会でした。出席者もいつもの面々だったからこそ、対面で前後の時間も含めて話したいなと思うものの、第8波が近い現状を鑑みるに相当先になりそうな予感。

 

今回の事例で焦点になったのは社員寮。個室が充てがわれているとはいっても、ほぼ四六時中職場にいて共同生活をしているようなもの。私の感覚では「(特に未カムの)性的マイノリティにとって地獄のような空間」であり、「事例の人物もよくこんな所を選んだな……」という印象を抱きました。ただ、当初はわからずとも過ごす中で見えてくることってありますからね。非寛容的な社風で自身のセクシュアリティを隠しながらの生活。そこでのハラスメントやマイクロアグレッションによる日々の消耗はいかばかりか、想像に難くありません。

……と、こんなことを考えながらディスカッションに臨んでいた私ですが、喋りながら「私は言えた立場か?」と一歩引いて私自身の棚上げを眺める自分もいました。「隠してまで働く程の職場か?」「じきに辞めると思います。心が保たない」とか、他人に講釈垂れる立場ではありません。だって、これはディスカッションで事例に対して述べた意見であると同時に、私自身への言い聞かせという面もある。もう4年近く髪も治療も隠し通してきて、幸い誰にも気付かれてはいないけれど、果たしてそれでも働き続けたいですか……との迷いがあるのかもしれない。そうは言ってもやっと拾ってもらった貴重な正職員としての働き口だから、この迷いは断ち切りますがね。事例の人物がそうであったように、不満があっても働き続けるのは相応の理由がある。全てが希望通りにならなくとも、「それが人生」と折り合いを付けねばならない局面は必ずあるのです。