ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

落ち着きたかった場所

今日は公演当日でした。最後まで気の抜けない難曲揃いで、物凄い集中力を要求される演目でした。当然、体力も。所々に事故はありつつも崩壊にはならず、メンバーにとてもたくさん助けてもらい感謝感謝。

雑にしかし厳然と二つに分けられるフォーマルスタイルとか、花束を渡す人はいつも女性ばかりとか。そういったことに言いようの無い居心地の悪さを覚えながらも、楽屋に入れず舞台袖に荷物を置けることや多目的トイレのドア閉めが速いとか、そういったことに安心感を覚えつつ、無事の終演を迎えました。

 

今回の現場は、まさかの実家近くの会場。実はこれを知った時は出演を辞退しようかと迷いました。実家の両親が嗅ぎつけて来場でもしたら、連絡を私からはしてこないことや容貌について等、"決定的"な所に触れる詰問が確実にあるので。対面にしろメールにしろ、ね。打ち上げにしても、会場近辺か或いは数駅の距離でやることくらいあちらは想像がつくから、『終わったら帰って来なさい』とも言われかねない。なら「コロナ禍を理由に参加せず帰宅した」という既成事実を作っておけば、最悪の事態は回避できるのでは……。そう考えて、打ち上げに出ず帰ってきました。ある程度の事情を知ってくれている親しいメンバーのおかげでこうした選択を尊重してもらえて、頭が上がりません。今度、別途食事でも行きましょう。

 

やっぱり実家が近いせいか、以前と変わった場所が幾らかあるのは特に目に付きます。一方で変わらない所もあるが、それらを見た私は「結構変わったなぁ」とざっくりとした感慨を抱く。そう思う私は、この街で生まれ育った私は、果たして変われているのでしょうか。自分では変わっていないように思うけれど、実家のあるこの街で落ち着けなくなっているという事実を鑑みるに、ちょっとだけ変わったのかもしれない。昔と同じ型に嵌まれなくなった、或いは嵌め込まれていたと気付いた以上、全く変わらず同じままとはいかないのかね。「帰りたくない」と思うことが何よりの証左か。

本当は落ち着きたかったけれど、そうもいかなかった場所。またあそこの舞台に立つ日は来るのかな。