ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

悲劇と歓喜

サッカーワールドカップカタール大会で、日本が敗退したそうですね。史上初のベスト8ならず、だとか。弊社は土地柄かサッカーフリークが多いので、先輩を筆頭に職場はお通夜ムード。基本的にはワールドカップについてポジティブな話題ばかりが飛び交います。

 

そうなると肩身が狭いのが私。そもそもあまりスポーツには興味が無い上に、カタールは(今大会まで寡聞にして存じませんでしたが)外国人労働者や性的マイノリティへの不当な扱いが問題となっている国。加えて、各国の選手団が手を変え品を変え人権侵害への抗議を示している中、日本では触れてやるな黙っておこうと真反対の態度まで出る始末。そんな大会について、雑談の波に乗っかって話そうなどとは残念ながら思えません。

職場の皆さんが大会の"暗部"をどれほど見聞きしているかもわかりません。何より怖いのは、私がカタールの人権侵害反対の立場を明確にした時、私のことを性的マイノリティ当事者かそれに近しい存在だと気付く人が出てくるかもしれないということです。「当事者だから」人権侵害のトピックにアンテナを張っている……という推論は、そう難しいことではありません。*1そこで私が「違う」と"弁解"するのもそれこそ"違う"ことであり自身への嘘になる。いつ来るかもわからない先の話ではあっても、当事者ではないと一度は宣言した人がそれを翻したら『何だよ!』って余計な怒りを買うでしょうし。

 

何が言いたいかって、自分から火種に突っ込むような真似はしません。結局、性的マイノリティ云々はそこからの相手の反応次第であるわけだから、「自分のタイミングで特定の信頼できる人に最初にカミングアウト」とは真逆のことだから。

*1:日頃から息をするように嘘をついておいて何善人面をしているんだ……と言われたら返す言葉もありませんが。