ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

声優アワード

声優さんはアニメを好んで視聴しない層より少し詳しいくらいですが、声優アワードは毎年注目していました。今年は遂に、大きな変化に向けて舵を切ったようです。

www.oricon.co.jp

 

実行委員会の声明によると、

『多様性の尊重、ジェンダーフリーに鑑み、この数年議論を積み重ねた結果、第一回声優アワードより設立されている主演・助演・新人の3部門における男女別を統合し、名称を変更することにいたしました』

とのこと。

演じる役柄はともかく、「中の人」としてはアイドル的な売り出し方にも表れているように男性・女性がはっきり分かれた扱いをする傾向のある業界だという印象は拭えません。性的マイノリティであることをオープンにして活動している人も少ない。そんな中で、*1生身の役者よりも出生時の性別に縛られないことと昨今の情勢がようやく結び付いて今回の決定に至ったことは評価したいと思います。

 

まずは栄誉ある賞から変わることで、業界にもD&Iの波がどんどん伝わっていってほしい。それにより、「性別関係なく演技できても結局男性/女性声優として扱われる未来」への不安から芝居の道を諦めてしまう人が出ないようになれば良いですよね。演者とファン双方の裾野が広がれば、業界の活性化に繋がることも見込めますし。ただ、名称を変更したはいいが結局男女1人ずつ……などと有名無実化することだけは避けてほしいかな。これに安堵せず、今後の動向は注視していきたいところです。

*1:例えば井上麻里奈さんは男性役をやりたかったことが役者の中でも声優を志した動機だそうです。逆に男性声優が女性役というパターンも、蒼井翔太さんや村瀬歩さん等が出てきていますね。後者は直近で話題の男子プリキュア