ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

ジェンクリ #87

定期通院ならびに血液検査。直前までオーケストラの練習をしていたせいで、空腹が限界寸前。そんな中での1時間待ちというのは思っている以上に酷なものです。それにしても、新しいNsさんの手技が泌尿器科の方レベルで素晴らしく、注射の痛みが少ないのはありがたい。

 

直近であった出来事と言えば、やっぱり職場での「眉サロン」事件がホット。"逆埋没"できていたつもりが急にそうではない可能性を突き付けられて驚いたし、セクシュアリティがバレるのではと不安になった……と主治医にも報告。しかしそれを話しながら、「自分は何でこんなにも必死に隠し通そうとしているんだ……」と冷静に考える自分も同時にいて。『また訊かれたら同じ台詞で断れば、相手もこれは触れられたくないんだなと思う』という主治医の言は尤もだけれど、私はあまり角を立てたくはないし、何より「他の人なら軽い雑談レベルのことでも私には地雷級のプライバシーになることが申し訳ない」と感じます。その懸念は尤もだが、例えば家族構成などが同じように地雷な人もいる……と主治医。確かに。こういうのは実際に話して反応を見ないとわからない。コミュニケーションであってトライアンドエラーだ。もしまた同じようなことを相手に訊かれたら、まずは言葉を重ねずテンプレでピシャリと躱してみようと思います。

ただその一方、メイクをしているくらいのことはいっそ話してしまおうかという考えも実は持っていたり。相手はこちらを少なくとも美容男子的なイメージで見ているわけだし。ぶっちゃけ、「いつ、誰に、どう訊かれ、こう言って誤魔化した」という設定を数多積み上げてその整合性を保ち続けることをやり通せる自身が無いというのもある。仕事内容そのものと趣味以外で複雑なタスク管理なんてやっていられないよ。隠すことに割くリソースってものそれなりにあるので。実際、それで相手から否定的な反応が出なかったらだいぶ楽になる気がする。こう言ったら主治医は『そう悪い結果にはならないとは思いますけどね』と返してくださって少しだけ目頭が熱くなったけれど、そんなうまくはいかないよなぁとの思いが強いですね今の私は。だって、カミングアウトしたら否定的な反応が返ってくるし職を追われるから何年間も必死になって隠しているわけで。「いっそ話せば」と頭の片隅で思っているのは、自暴自棄さでもあるのかもしれません。取り敢えずしばらくは相手の出方を窺います。

 

そうそう、私は当たり前に"逆埋没"していると思っているのだけれど、その話をした時に目を見開いて驚いた顔をするのはやめてほしいなぁと主治医に対して思います。幾ら男を辞めようとして外見に気を遣おうと所詮はゴツいオッサンなのだから、男性の典型像から外れはしていないはずなんですがね。