ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

除睾哀史・残照編 #8 術後2年

不定期更新にしてから初の投稿。本当はもう少し間を空けるつもりでしたが、節目の日なので。

 

今日で睾丸摘出手術を受けてから丸2年が経ちました。心境としては術後1年の時とさほど変わりません。ただ、変わらないとは言っても、それは悪いことばかりでもなく。"本丸"がまだ残ってはいても、局部の容積が減っただけでも日々の不快感は(ゼロにはならないにせよ)感じにくくなるもの。その意味では、昨年自身が表現した「心の波が凪になった」というのは言い得て妙かと。「この身体にもだいぶ慣れてきたな」とまで言ってしまうと、流石にフィクションっぽさが過ぎますか。

術後の創部が再び痛むことも無ければ、副腎からの急激なテストステロン分泌が起こることも無く、幸いにもホルモン投与も定期的に受けられる状況が続いています。振り返って、名医に恵まれたことによって今の安定が得られていると痛感します。

 

相変わらず男性としての生活は続いており、周囲からもそうとしか見做されてはいないのだけれど、自分の身体を苛む不快感や恐怖感が薄れた状態で過ごせているのはやはり最大の変化なのかもしれません。当初の目的が(一部ながら)達成されているのだからそれもそうか。

しかし私が安定と思っている状況はいつまで続くかわかりません。懲戒解雇や実家強制送還をはじめとする外的要因によって容易に瓦解する気はしているので、なるべく自身でコントロールできる要素を増やしておきたいところです。安定が崩れたことがきっかけで"本丸"にも切り込めればより良いのだけれど。