ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

福利厚生

昨日の「職セク」やその後の食事会で色々考えたことについて。

 

LGBTQの職場での過ごしやすさというと、ハラスメントとかカミングアウトと配慮とかがクローズアップされがちですが、福利厚生の制度についても重要な位置を占めていると思うのです。冠婚葬祭の際の補助然り、社員旅行等の行事然り、それに対する職員の負担然り。この辺の制度設計で「どんな人達が対象と想定されているか」って、その企業の多様性受け入れのバロメータになるのではないでしょうか。

 

私の職場の例で恐縮ですが、職場内で委員会のような形で「親睦会」組織が存在しています。正規雇用の職員は必ず=強制加入で、会費は毎月の給与から天引き。結婚や身内の不幸に際しては慶弔金の支給あり。親睦会主催の行事としては、夏に暑気払い・冬に社員旅行が行われます。会の運営は各課の職員で毎年ローテーション=2~3年に一度は必ず運営にならなければならず、入職年次で割り当てられるので本人の希望は考慮されない

私自身が親睦会に肯定的な立場ではないのでネガティブな書き方になってしまいましたが、だいたいこんな感じ。似たような組織が多くの(特に日本の)企業には存在するのではないでしょうか。因みに社員旅行は12/3に書いたアレ。

julia88h.hatenablog.com

 

具体的にどんな点から肯定的ではない立場をとっているかと言うと…

  • 慶事のお祝いが異性間の婚姻・出産に限定されており、近隣自治体で導入が進められている同性パートナーシップは含まれない(少なくとも想定されていない書かれ方をしている)。
  • 暑気払いで新人挨拶がある等、任意参加の体を取りながらも強制力がある。
  • 私自身は仕事とプライベートは分けたい考えの持ち主なので、そもそも仕事時間外でも気を使うくらいなら自分の時間を過ごしたい。
  • 宿泊や入浴を伴う旅行は、いくら未カム・移行初期とは言え抵抗感が強い。
  • にもかかわらず加入(と数年ペースで運営)強制な上に給与天引きなので、身内の不幸でも無い限りは制度の恩恵を受けられない。それも無ければ事実上の罰金みたいなもの。

…といった辺りでしょうか。トランスジェンダー&アセクシュアルの私の視点で述べましたが、慶事に関しては同性愛でも同様に恩恵は受けられず旨味はあまり無いように感じます。まぁ慶弔は人生でそう何度もある訳ではありませんし私の場合はそもそもありませんが、やはり「想定されていない」ことの疎外感はあります。「時代の割には対象範囲が狭い」と言い換えた方が良いかもしれませんね。運営体制についても強制が多くて昭和臭が漂う…運営に入れられて旅行も強制されたらたまったものではない。正直、任意加入にしてほしいと思っています。

 

セクシュアリティに限らず、職場の人間関係についても時代の変化や本人の思想信条により一括りにはできなくなってきている(そう見なされつつある)のですから、本人がメリットを感じていないことに対してお金を取られ続けるのってぶっちゃけ無駄じゃないですかね。つい先日まで楽団を休団しなかった私が言うのもなんですが。親睦会への不満も職場に言った訳ではありませんし…。

慶弔に関しては「親睦会として」ではなく「職場として」取り決めをしてもいいでしょうし、宴会や旅行はやりたい人達で勝手にやればよろしい。事実上の公式行事になってしまっているので、得をする人もいれば損をする人も勿論いる。職場の制度って、なるべく損をしないように設計されるのが理想だと思います。別に今得をしている人達を引きずり降ろそうなんてつもりは毛頭無くて、現状の制度で不利益を被っている/メリットを感じていない、言わばマイナスの状態をせめてゼロにはしたいというだけなんです。プラスまで行ければ尚良し。

 

…なんだかセクシュアリティと個人の信条がごっちゃになった意見を書き殴ってしまいました。でもどちらも多様性という観点から大事なことだと私は思います。下手に歴史のある中小だとやっぱりこの辺り時流に乗り遅れるのかなぁ。昭和が終わり、平成が終わり、新しい時代が来ても昭和のままっていうのは避けたいものです。