ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

ジェンクリ #58

1ヶ月振りとなるジェンクリ定期通院でした。

主治医への近況報告としては、やはり法要関係のことになりがち。電報で連絡してきたと私が言った時は、流石にというか目を丸くされていました。いまどきなかなか使うって発想にはなりませんよね……。無駄に文化資本があるとこういう所が怖い。取り敢えず電報で転居はバレず法要当日も乗り切れたとは言え、所詮は一時しのぎに過ぎません。境遇の近い"戦友"に言っておきながら、当の自分が「離れどき」を定められずにズルズルと嘘にまみれた親子関係を引き伸ばしている。当座の安心感こそあれ、長期的視点では落ち着かないというのが正直なところです。

体調について、今のところ摘出に伴う大きな乱れが無いのは幸いしています。しかしこれからどうなっていくかは読めないので、自己モニタリングを欠かさないことを主治医と合意。『何か変化したことがあれば教えてください』とのことで、慎重に自分の身体と向き合っていきましょう。滞在時間15分というのは恐らく史上最短。あっという間に終わって驚きました。駅に戻る際も、まだ街が起きていない。お昼前とは雰囲気が違いますね。

 

さて、今回の受診でジェンクリ初診から約3年が経過しました。身体の治療こそ一つの転換点を迎えたものの、RLEは未だパートタイムのまま。職場と実家という二つの大き過ぎる壁を乗り越えられる気は、正直しません……。いわゆる保守的な価値観が主流の環境では、自分自身が"普通"ではないと表明すること・"典型的"でない外見を露わにすることは本当に難しい。ジェンダー外来は『長く居ちゃいけない』場所だと当事者間では言われていますが、何も変えられないままズルズルと3年間。当分の間は留年ですが、泌尿器科との繋がりも既に持っているわけで、例えばより長時間のカウンセリングに切り替えて内省を深めていくとかも取れない手段ではないよなぁ……などと考えたりもしています。