ボールとポールを取ってホールを付けたい

男の身体のままで死にたくはない。

就業規則改定

されたようです。先月に。で、数日前に下々の者にも周知されました。章立ての変更や*1時代に合わせた文言の修正・追加が多く見られ、数十年ぶりの大規模改定だったようです。2022年度から中小企業でも対策が義務化されるパワーハラスメント。私が参加している勉強会でも度々話題に挙がる「パワハラ防止法」を見据えた改定の中に、嬉しい文言が入っていました。

*2前号に規定するもののほか、性的指向性自認に関する言動によるものなど、職場におけるあらゆるハラスメントにより、他の従業員の就業環境を害するようなことをしないこと。』

仮にパワハラ防止法対策のポーズだったとしても、『性的指向性自認』という言葉が入っているだけで、いち性的マイノリティ当事者としては少し安心感を得られますね。規則中に明記されているといないとでは「職場として想定に入れているか否か」が異なり、知らぬ存ぜぬは許されなくなると私は考えます。"解釈改定"に留まると文字通り人によって解釈が変わってきてしまうので、それは*3従業員の権利を守る上で規則として健全な形ではない。

 

ただ、私にとって不都合に思える改定箇所もありました。それが服装規定。今まではただ

勤務中は定められた服装にて就業すること。

だけだったのが、その前に

『服装などの身だしなみについては、常に清潔に保つことを基本とし、他人に不快感や違和感を与えるようなものとしてはならない。』

と追加されました。『定められた』先は相変わらず無いのですが、『不快感や違和感』に客観的な基準が無く、いくらでも恣意的な運用は可能に思えます。男性の長髪や化粧=不潔・不快感・違和感という風に直結させられるので、私側にはやや不利になった形です。清潔感と実際に清潔であるかは、しばしば関係が無い。何か指摘された際は先に挙げたSOGIハラに関する項を盾にできると良いのですが、それを言ってしまえばカミングアウトも同義。*4『秩序を乱』して懲戒解雇まで一直線というのは変わっていません。道のりが少し長くなっただけ。多少の安心感こそ得られても、まだまだ油断できないってことです。

*1:インターネット上の書き込みに関する注意事項や時差出勤の規定追加、『女子従業員』から『女性従業員』への表記変更など。

*2:セクハラ、パワハラ、マタハラ。

*3:こう書いてはいるものの、一方で「働かせてやっているのに配慮だの要求だのつべこべ言ってんじゃねぇよ権利乞食が」という、相反する思いが同時によぎる自分もいる。忘れないよう正直に書き留めておく。

*4:労使における諸規則は恣意的に運用してこそ使用者、だと私は感じています。